レギスタン砂漠

レギスタン砂漠の概要

レギスタン砂漠はアフガニスタン南西部に位置し、ヘルマンド州とカンダハール州の間に広がる広大な砂漠です。この地域は約15〜30メートルの高さを持つ赤砂の小高い丘と、砂に覆われた平坦な土地、さらには岩や粘土で覆われたエリアから構成されています。丘の基盤には、長い時を経て安定した古代の横断砂丘が形成され、主に西から東へ吹く風と無限に近い砂の供給によってその姿を作り上げています。

この砂漠にはバローチ人やパシュトゥーン人の遊牧民が居住しており、人口はまばらでありますが、彼らの生活はこの苛酷な環境に適応しています。レギスタン砂漠は近年、周囲の農耕地にまでその範囲を広げてきており、その原因としてはさまざまな環境の変化が指摘されています。

環境の変化と遊牧民の生活

1998年に発生した深刻な干ばつは、レギスタン砂漠周辺に住む約10万人の遊牧民に多大な影響を及ぼしました。その結果、彼らは土地を放棄せざるを得なくなり、多くはアルガンダーブ川とヘルマンド川の間に一時的な集落を形成しています。この地域の多くの人々は、より安全な住環境を求めて避難を実施したことで、カンダハール州には国内避難民（IDPs）用のキャンプが設けられ、国際連合（UN）による支援も行われています。

国連では、かつて遊牧民やその家畜が生活していた地に戻すための戦略を模索中であり、彼らの生活の再建に向けた努力が続けられています。しかし、レギスタン砂漠は確実にその面積を西方向に広げており、以前の耕作地にまで進出している状況が見受けられます。これにより、最大100の村が風によって運ばれる砂塵によって消失する恐れがあると、国際連合環境計画チームは警告しています。

植生とその影響

特に砂丘が北西部の農耕地にまで進行している原因には、薪の収集や過度の放牧による植生の低下が挙げられます。UNEP（国連環境計画）チームは、こうした状況を受けて、約15メートルの高さに達する砂丘が従来の道路を塞いでいることを確認しました。これに対し、住民に対して新しい道路を作るよう促すなどの対策が取られています。

現在の課題と未来

レギスタン砂漠の持続可能な発展は、遊牧民とその生活環境に深い影響を与える重要な問題です。人口減少や農地減少の背景には、環境変化や厳しい気候条件があり、地域社会の復興には国際的な支援が欠かせません。今後もこの地域の環境と人々の生活がどう変化していくのか、注視していく必要があります。

もう一度検索