レジナルド・ジョンストン

サー・レジナルド・フレミング・ジョンストン

生い立ち

サー・レジナルド・フレミング・ジョンストン（1874年5月21日 - 1938年12月10日）は、イギリスの中国学者であり、清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀の家庭教師を務めた人物です。彼はスコットランドのエディンバラで法律家の子として生まれ、その後エディンバラ大学およびオックスフォード大学のモードリン・カレッジで学びました。

植民地省での活動

1898年にイギリスの植民地省に入省し、アジアの主要な植民地である香港に派遣されました。彼は1900年から香港総督の秘書官を務め、1904年には威海衛の地方官として赴任しました。

溥儀との出会い

1919年、ジョンストンは清朝皇帝・溥儀の家庭教師に選ばれました。その際、溥儀は最初は外国人であるジョンストンを受け入れかねていたものの、彼の言語能力や教養に感心し、最終的には受け入れることに決めました。ジョンストンは溥儀に多大な影響を与え、彼を近代的な生活様式へと導きました。

近代化への影響

ジョンストンは、溥儀に洋服や自転車、電話など、当時の最新の西洋文化を紹介しました。溥儀はジョンストンの指導を受けながら、従来の辮髪を切るなどして変化を受け入れていきました。彼はまた、紫禁城の内部を近代化しようと試み、宦官や腐敗を排除するための改革を進めました。この動きは宦官たちとの対立を生じさせました。

紫禁城からの追放

しかし、1924年には北京で政変が発生し、ジョンストンと溥儀は紫禁城から追放されることになります。その後、溥儀はジョンストンと共に日本の庇護を受けることになりますが、当時の状況は非常に複雑でした。

日本への庇護と帰国

ジョンストンは、溥儀が安定した身元を得たのを機に帝師を辞任し、1925年にはイギリスに帰国しました。帰国直前には溥儀を訪問し、感謝の意を表されたという出来事もあります。その後、彼はロンドン大学で教授職に就きました。

威海衛行政長官に就任

1927年、ジョンストンはイギリスが租借していた威海衛の行政長官に任命されました。彼はその地を「清朝のマンダリンのように統治した」と評されるほど、一貫して丁寧に統治を行いました。1930年にはサーの称号が与えられました。

晩年と著作

1934年、ジョンストンは公務を引退し故郷のスコットランドに戻り、小島で中国古典の膨大なコレクションと共に過ごしました。その年に著した『紫禁城の黄昏』は、溥儀との関係を綴った重要な著作です。彼はその後も溥儀との交流を続け、1938年にエディンバラで亡くなりました。彼の生涯は、近代中国と西洋の接点を象徴するものでした。

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