レッドブル (映画)

映画『レッドブル』の紹介

『レッドブル』（原題: Red Heat）は、1988年に公開されたアメリカのアクション映画であり、刑事ドラマとバディ映画の要素を持つ作品です。主演はアーノルド・シュワルツェネッガーとジェームズ・ベルーシが務め、全体を通して冷戦時代の緊張感を背景に描かれたストーリーが特徴です。

ロケーションと制作背景

本作は、アメリカ映画として初めてモスクワ市内や赤の広場で撮影が許可された珍しい作品です。ただし、主要なアクションシーンの多くはハンガリーのブダペストやオーストリアで撮影されています。監督は、アクション映画『48時間』シリーズで知られるウォルター・ヒルが務めました。

日本版ポスターに記載されたキャッチコピーは、観客に強烈な印象を与えます。「‘‘ソビエト,,が、たったひとりでやってきた。」や「アメリカは、もう眠れない。」などのフレーズが、映画のテーマや緊迫感を際立たせています。

あらすじ

物語は、冷戦の影響が色濃い時代を舞台に、モスクワ市警のイワン・ダンコ大尉（アーノルド・シュワルツェネッガー）が主人公です。彼は、ロシアン・マフィアの麻薬市場を支配するグルジア人ビクトル・ロスタを摘発する作戦に挑みます。しかし、作戦は失敗に終わり、彼の部下たちが命を落とし、ビクトルを逃がしてしまいます。

ビクトルはアメリカへ逃亡し、地元のギャングとの麻薬取引を始めますが、偶然の職務質問によって逮捕されます。この連絡を受けて、ダンコはシカゴへ向かい、ビクトルの身柄を引き渡すために現地のギャングの街へ向かいます。国家間の関係性から緊張が漂う中、ダンコはビクトルの引渡しを成功させ、麻薬取引に使われるロッカーの鍵を押収します。

ところが、護送中に地元ギャング団が襲撃をかけ、ダンコは昏倒させられ、ビクトルは再び逃走します。ダンコは、シカゴ市警のリジック部長刑事（ジェームズ・ベルーシ）と組み、ビクトルの追跡に乗り出します。しかし、二人の性格や捜査方法は対照的で、堅物なダンコとお調子者のリジックはしばしば衝突します。

キャラクターとその関係

ダンコとリジックのコンビは、国境を越えた麻薬取引を追いかける中で多くの困難に直面します。リジック側もビクトルに対抗するため、様々な手段を講じますが、何かにつけて二人は意見がぶつかり合います。

ビクトルは、取引に必要なロッカーの鍵を奪い返そうとダンコを狙います。ダンコとリジックは、彼の麻薬取引の現場を突き止めるべく、協力し合いながら捜査を進めますが、果たして彼らはビクトルを捕まえることができるのでしょうか。

映像ソフトと音楽

『レッドブル』は、その発表後も映像ソフトとして再リリースされ続け、多くのファンに愛されています。音楽は、ライ・クーダーが担当する予定でしたが、オープニング・テーマ曲には、セルゲイ・プロコフィエフ作曲の「十月革命20周年のカンタータ」のアレンジが使用されています。

シュワルツェネッガーは撮影の合間に、憧れのロシアの重量挙げ選手ユーリ・ウラソフと再会を果たしたエピソードもあります。このように、映画『レッドブル』はアクションだけでなく、登場人物たちの人間模様も楽しめる作品となっています。

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