レッド・フェイバー

アーバン・クラレンス・フェイバー（Urban Clarence "Red" Faber, 1888年9月6日 - 1976年9月25日）は、アメリカ合衆国アイオワ州出身のプロ野球選手（投手）です。右投げ両打ちで、シカゴ・ホワイトソックスで長きにわたり活躍しました。

プロ入りと初期

1909年にピッツバーグ・パイレーツと契約し、マイナーリーグでキャリアをスタートさせました。1910年にはマイナーで完全試合を達成するなど、早くからその才能を発揮していました。1911年に右腕を負傷した際、チームメイトの助言からスピットボールを習得し、これが彼の代名詞となる球種となりました。

1913年、シカゴ・ホワイトソックスのオーナー、チャールズ・コミスキーの提案で、ニューヨーク・ジャイアンツとの合同チームによる世界周遊野球に参加し、好投を見せました。

ホワイトソックスでの活躍

世界周遊から帰国後の1914年、ホワイトソックスでMLBデビューを果たします。初年度から40試合に登板し、10勝9敗、防御率2.68の成績を記録。翌1915年には24勝14敗、防御率2.55と大きく飛躍しました。

1917年には防御率1.92とさらに向上し、同年のワールドシリーズでは4試合に登板し3勝を挙げ、チームを世界一に導きました。特に第4戦から第6戦にかけて3連投で2勝を挙げる活躍は特筆されます。また、同年9月にはダブルヘッダーの2試合と翌日の試合に連続で先発登板するという、非常に稀な記録も達成しています。この記録は95年間破られず、2012年にザック・グレインキーによって更新されるまで、MLBで唯一の記録でした。

戦争と試練

第一次世界大戦が終盤に差し掛かった1918年には、アメリカ海軍に従軍しました。1919年は腕や足首の故障、そして当時世界的に流行していたスペイン風邪（インフルエンザ）にも苦しみ、一時的に解雇されるという不遇の時期もありました。

1920年、野球界はライブボール時代に突入し、投手の成績が全体的に低下しました。しかし、フェイバーはスピットボールを公式に認められた17投手の1人として、この状況を乗り切ります。同年にはエディ・シーコット、レフティ・ウィリアムズ、ディッキー・カーとともに、史上初の20勝カルテットを形成しました。しかし、ブラックソックス事件によって、シーコットとウィリアムズは永久追放、カーは給与問題でチームを去ることとなり、チームは短期間で3人の先発[[投手]]を失いました。その中でフェイバーは1920年から1922年にかけて3年連続で20勝以上を挙げ、1921年と1922年には最優秀防御率のタイトルを獲得する活躍を見せました。

後期と引退

1931年から1933年まではリリーフ投手として活躍し、3年連続で40試合近くに登板しました。1933年、球団側から提示された年俸の大幅カットに激怒し、他球団への移籍を希望しますが、認められず、45歳で現役を引退しました。引退後は、1946年から1948年までホワイトソックスの投手コーチを務めました。

殿堂入りと晩年

1964年、ベテランズ委員会による投票でアメリカ野球殿堂入りを果たしました。1976年9月25日、イリノイ州シカゴで88歳で死去しました。

詳細情報

年度別投手成績

各年度の太字はリーグ最高。

タイトル

最優秀防御率：2回（1921年、1922年）
最多セーブ投手：1回（1914年）

脚注


外部リンク

[選手の通算成績と情報] (https://www.espn.com/mlb/player/stats/_/id/21415/urban-faber) ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
通算成績 (Retrosheet)
* Baseballhalloffame.org（英語） – アメリカ野球殿堂（National Baseball Hall of Fame）による紹介

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