レニャーノの戦い

レニャーノの戦い：自由を求めたロンバルディア同盟の勝利

レニャーノの戦いは、1176年に北イタリアのロンバルディア地方、レニャーノで繰り広げられた神聖ローマ帝国とロンバルディア同盟との間の重要な戦いです。この戦いは、中世イタリアにおける教皇派と皇帝派の対立の文脈の中で起こりました。

戦いの背景：ロンバルディア同盟の結成

1167年、ロンバルディア同盟は、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世（「バルバロッサ」）に対抗するため、ロンバルディア地方の都市が結束して結成されました。この同盟は、皇帝のイタリア支配に対する抵抗勢力として、教皇アレクサンデル3世の強力な支持を受けました。

フリードリヒ1世の第5次イタリア遠征

1174年、フリードリヒ1世はロンバルディア地方の反乱を鎮圧し、教皇との不和を解決するため、第5次イタリア遠征を開始しました。彼は大軍を率いてイタリアに侵攻し、都市を攻略しましたが、ロンバルディア同盟の抵抗は激しく、アレッサンドリア包囲戦では苦戦を強いられました。

モンテベッロ条約：交渉決裂と開戦へ

1175年、フリードリヒ1世とロンバルディア同盟はモンテベッロで和平交渉を行いましたが、合意には至りませんでした。交渉決裂後、フリードリヒ1世はハインリヒ獅子公に支援を求めましたが拒否され、ロンバルディア同盟との戦闘は不可避となりました。

レニャーノの戦い：激戦とロンバルディア同盟の勝利

1176年5月29日、レニャーノ近郊でロンバルディア同盟軍と神聖ローマ帝国軍が激突しました。戦闘は、ロンバルディア同盟軍の偵察隊と帝国軍の前衛との衝突から始まりました。当初、帝国軍が優勢でしたが、ロンバルディア同盟軍はカロッキオ（都市の象徴である戦車）を中心に抵抗し、ブレシアからの援軍を得て反撃に転じました。激戦の末、ロンバルディア同盟軍はフリードリヒ1世を敗走させ、勝利を収めました。

戦いの影響：ヴェネツィア条約とコンスタンツ条約

レニャーノの戦いの後、フリードリヒ1世は教皇アレクサンデル3世との和解を模索し、1177年にヴェネツィア条約を締結しました。しかし、ロンバルディア同盟の諸都市は戦いを続け、1183年のコンスタンツ条約で、フリードリヒ1世は諸都市が自由に統領を選挙する権利を認めざるを得なくなりました。

イタリア統一運動におけるレニャーノの戦い

レニャーノの戦いは、近代イタリアにおいて、外国支配に対するイタリアの連帯と勝利の象徴として評価されるようになりました。イタリア統一運動の指導者たちは、この戦いを自らの闘争の অনুপ্রের源として捉え、愛国心を鼓舞しました。

まとめ

レニャーノの戦いは、ロンバルディア同盟が神聖ローマ帝国の支配を打ち破り、自由を勝ち取った重要な戦いです。この戦いは、イタリアの歴史において特別な意味を持ち、イタリア統一運動の象徴として、今もなお語り継がれています。

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