レバミゾール

レバミゾール（Levamisole）

概要

レバミゾールは、線虫を駆除するために開発された薬剤であり、体内でのフマル酸の還元やコハク酸の酸化を阻害することによって、炭水化物の代謝を抑制し、駆虫効果を発揮します。この薬剤は1966年にベルギーのJanssen Pharmaceutica社によって発見されました。主に動物の駆虫薬として広く使用されていますが、他にもいくつかの医学的用途があります。

臨床での使用

レバミゾールは、特に動物における駆虫治療においてその効果を発揮します。経口投与された際、その代謝は肝臓で行われ、効果的な駆虫が可能です。駆虫という主目的以外にも、レバミゾールは特定の刺激に対して免疫を誘導する効果を示すことがあり、これが他の治療用途への道を開く可能性があります。

たとえば、レバミゾールは抗がん剤フルオロウラシルと併用されることがあり、大腸癌の治療において試験が行われましたが、臨床試験の結果は期待されたものではありませんでした。また、インフルエンザに対してはインターフェロン誘導剤としての効果も報告されており、一定の治療効果が期待されています。加えて、ステロイドに依存する小児特発性ネフローゼ症候群の治療にも用いられる場合があります。

しかし、現時点では、日本においては主に動物用の医薬品としてのみ市販されており、薬価に関して収載されていませんが、海外では動物および人間に対して市販されている製品があります。

研究目的での使用

レバミゾールの特性の一つとして、小腸や胎盤型を除くほとんどのアルカリホスファターゼアイソフォームを可逆的かつ非競合的に阻害することが挙げられます。この性質は、研究において非常に有用であり、in situ ハイブリダイゼーションやウェスタンブロッティングなどの技術を用いたシグナル検出における余分なアルカリホスファターゼ活性を減少させるための抑制剤として使用されます。

このように、レバミゾールは駆虫薬としてだけでなく、研究や他の治療方法への応用においても重要な役割を果たしています。さらなる研究が進むことで、今後の医療分野での活躍が期待される薬剤です。

参考文献

• - Donald C. Plumb著 佐藤宏 監訳 『プラム 動物用医薬品ハンドブック 原書第3版』 株式会社ワハ2003年
• - 伊藤勝昭 他編 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018

関連項目

• - 駆虫薬

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