レンタルCD

レンタルCDの歴史とビジネスモデル

レンタルCDとは、コンパクトディスク（CD）などの音楽ソフトを有料で貸し出すサービスです。主に日本国内で行われており、音楽を手軽に楽しむ手段として定着しました。

概要

レンタルCDのルーツは、1980年代に登場したレコードレンタルに遡ります。当初はアナログレコードを貸し出す専業の店として始まり、1982年にCDが登場すると、その取り扱いも開始されました。しかし、2000年代に入ると専門店は姿を消し、レンタルビデオ（後のDVD）、ゲームソフト、漫画の単行本など、多様な商品を扱う複合店舗へと変化していきました。

日本での歴史

レンタルレコードの草分けとしては、1980年6月に東京都三鷹市で開業した「黎紅堂」が知られています。当時立教大学の学生だった大浦清一氏が始めたこのサービスは、レコードを1枚250円から300円程度で借りられるという手軽さから、若者を中心に爆発的な人気を博しました。購入するよりもはるかに安価な価格設定が、このビジネスモデルを急速に拡大させる原動力となりました。

メディアは「アイデア商法」としてこの動きを大きく取り上げ、多くの新聞や雑誌がレンタルレコード店に関する記事を掲載しました。しかし、その人気の一方で、借りたレコードを録音する行為が横行し、著作権問題が浮上。1981年には、レコード会社が大手レンタル店を相手取り、貸出差し止めを求める訴訟を起こす事態に発展しました。この訴訟をきっかけに、レンタルレコードは社会問題として扱われるようになり、テレビなどのマスメディアでも大きく報道されました。

1983年には、「商業用レコードの公衆への貸与に関わる著作権等の権利に関する暫定設置法」が成立。これにより、レンタルレコードは合法化されました。その後、1984年の著作権法改正により、レコード製作者に貸与権と報酬請求権が認められ、レンタルビジネスは権利者の許諾を得た上で継続されることとなりました。これにより、レコードレンタル店は著作権使用料を支払う代わりに合法的に運営することが可能になったのです。

1991年の著作権法改正では、新譜のレンタル禁止期間が1年間に延長されました。邦楽に関しては、レコード会社との話し合いにより、発売日から17日間（主に翌々週の土曜日）がレンタル禁止期間と定められました。一方、洋楽についてはほぼ1年間レンタル禁止となるため、レンタルCDの取り扱いを廃止する店舗が増加しました。シングルCDの場合は、カップリング曲がない、または1曲のみのシングルは発売日からレンタルが可能ですが、例外的に発売日にレンタルが解禁されたアルバムも存在します。

ビジネスモデル

レンタルビジネスにおける著作権料の支払いは、市場全体の売上の一部に過ぎず、新品CD販売よりも有利な競争条件にあるとされています。また、需要期を過ぎたCDを中古市場に売却できる点も、レンタル店の収益を支える重要な要素です。近年では、中古CDや新品CDの販売も併せて行う複合店舗が増加しており、大手チェーンによる寡占化が進んでいます。例えば、TSUTAYAのような大規模チェーンは、大量仕入れによるコスト削減や財務面の安定化を図っています。

脚注

1. 出典

関連項目

エイベックス - 創業者である松浦勝人が「友&愛」の店長だったことがある。
音楽配信
オンラインDVDレンタル
エアチェック


レンタルCDは、音楽をより身近にするサービスとして、その形を変えながらも現代に受け継がれています。その歴史を振り返ることで、音楽の楽しみ方が時代とともに変化してきたことを改めて認識することができます。

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