レンボルク

ポーランド北西部の歴史ある町、レンボルク

レンボルク（ポーランド語: Lębork）は、ポーランド北西部、中ポモージェ地方に位置する人口約3.7万人の町です。ウェバ川とオカリツァ川が流れ、自然豊かな景観を形成しています。かつてはドイツ名ラウエンブルク・イン・ポンメルンとして知られ、その歴史は中世に遡ります。

歴史

中世

レンボルクは元々、ウェブノというポーランド人の村でした。14世紀、チュートン騎士団の侵攻によりレヴィンまたはレヴィンブルクと改名されました。1341年、チュートン騎士団総長ディートリヒ・フォン・アルテンブルクは、スウプスク一帯の防衛のため、ルッヒャー・フォン・エメリッヒにこの地を与え、クルム権を与えて町としました。1363年には、市街の東にオルデンスブルク城が築かれましたが、1410年のグルンヴァルトの戦いで一部破壊されました。

近世

1440年、町はプロイセン同盟に加盟し、カシューブ人が人口の大部分を占めました。1454年に十三年戦争が始まると、ダンツィヒ（グダニスク）軍がラウエンブルクとビュトフ（ビュトゥフ）を攻略しましたが、翌年にはポメラニア公エリク2世によって奪還されました。プロイセン同盟への忠誠を守った町は、ポーランド王カジミェシュ4世から近隣の村を与えられました。1459年にはダンツィヒ軍が再びラウエンブルクを占領しましたが、町長のロレンツ・センフトプフはチュートン騎士団との交渉を開始しました。その後、エリクの策略によりチュートン騎士団が奪還しましたが、エリク自身が戦争中に寝返りました。1466年の第二次トルンの和約により、ラウエンブルクとビュトフはポメラニア公領となり、エリクの後継者の所領となりました。

近代

16世紀初頭に宗教改革が伝わると、ルーテル派が広まりましたが、対抗宗教改革の影響も受けました。17世紀の北方戦争ではスウェーデンに占領されました。1657年のブロンベルク条約により、ラウエンブルク・ビュトフ領はブランデンブルク＝プロイセンのフリードリヒ・ヴィルヘルムに譲渡されました。1658年には、退却するスウェーデン軍によって町が焼き払われ、多くの家屋や町役場が破壊されました。フリードリヒ・ヴィルヘルムは復興のため、税を免除するなどの措置を講じました。1701年にはプロイセン王国に編入され、1773年のワルシャワ条約でプロイセンの主権が確立されました。

現代

19世紀には工業都市として発展し、1871年にドイツ帝国の一部となりました。第一次世界大戦後、ポーランド回廊がポーランド第二共和国に割譲されると、ラウエンブルクとその周辺には多くのドイツ人が移住しました。第二次世界大戦中には、シュトゥットホーフ強制収容所の分館が置かれました。1945年3月、赤軍が無血入城し、戦後のポツダム宣言により、レンボルクとしてポーランドの施政下に入りました。残留ドイツ人は追放され、ポーランド人が移住しました。

地理と気候

レンボルクは、ウェバ川とオカリツァ川が流れる穏やかな気候の地域に位置しています。ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候（Cfb）に分類され、年間を通して十分な降雨があります。

文化と観光

レンボルクには、ゴシック様式の聖ヤーコプ教会やオルデンスブルク城など、歴史的な建造物が残っています。これらの建造物は、町の豊かな歴史を物語っています。また、近隣には美しい自然が広がっており、観光やレクリエーションの拠点としても魅力があります。

交通

レンボルクには、レンボルク駅とレンボルク・ノヴィ・シヴィアト駅があり、鉄道でのアクセスが可能です。

ゆかりの人物

ポール・ニプコー：テレビの先駆者
エドワード・サピア：民族学者、言語学者
* アンナ・フォティガ：政治家

レンボルクは、その長い歴史の中で様々な文化の影響を受け、独自の魅力を育んできました。現在では、ポーランドの重要な都市の一つとして、その歴史と文化を未来に伝えています。

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