ラジオゾンデ

ラジオゾンデとは

ラジオゾンデ（仏: radiosonde、英: radiosonde）は、高層大気の気象情報を収集するために使用される装置で、主にゴム気球に取り付けられて飛ばされます。この機器は、気温、湿度、気圧などのデータを測定し、それらの情報を無線で地上に送信します。これにより、地上にいながらにして上空約30キロメートルまでの直近の大気状態を把握することができます。

機器の構造と機能

ラジオゾンデは、計測機器、センサー、無線送信機の基板、電池、送信用アンテナから構成されています。通常、温度計と湿度計は装置の突起に取り付けられており、気圧計と無線送信機、電池などは本体内部に配置されます。使用される電池には、小型のリチウム[[電池]]や注水電池が選ばれ、環境負荷の低い材料が選定されています。

観測の流れ

ラジオゾンデを運ぶゴム気球が水素ガスで満たされ、放たれると、上昇速度は1分あたり300～400メートルに達します。測定したデータは、403.3MHzから405.7MHzの間で無線で送信され、地上の受信機で受信されます。この過程はおおよそ90分続き、気球が上昇することで破裂し、装置はパラシュートを用いて地上に降下します。

日本では、全国の気象台や研究機関が定期的にラジオゾンデを飛ばし、観測データを収集しています。通常、1日2回、特別な気象条件下では最大4回飛ばされることがあります。また、観測の際は航空当局に予め通知が行われ、運行に支障が出ないよう配慮されます。

ラジオゾンデのバリエーション

ラジオゾンデにはいくつかの種類があり、具体的にはレーウィンゾンデ、エコーゾンデ、GPSゾンデ、放射能ゾンデ、オゾンゾンデ、エアロゾルゾンデ、電気ゾンデなどがあります。それぞれ特化した機能を持っており、例えば、GPSゾンデは自機の位置情報も含めた気象データを取得することが可能です。

歴史的背景

ラジオゾンデの歴史を遡ると、高層気象観測の重要性が指摘された18世紀末になり、気球による観測が行われるようになりました。しかし当初は有人気球による観測が主流でした。この安全性の問題を解決すべく、軽量かつ組み立てが容易な自記測定器の開発が進み、最終的には1929年にフランスのロベール・ビュローによって最初の真正なラジオゾンデが誕生しました。

近代の利用

現在では、高層気象観測は標準的な手法として広く採用されており、多くの国で利用されています。日本でも各機関が協力し、正確な気象データの取得に努めています。一般的には、果たされる観測は使い捨てであり、運用コストを抑えるために、その後の回収および修理が行われる場合もあります。近年では、測定の正確性やリアルタイム性を重視した様々な機能が追加され、技術は進化を続けています。

ラジオゾンデは、現代の気象観測において不可欠な役割を果たしており、今後の天気予報や気象研究においても重要なツールであり続けるでしょう。

もう一度検索