レーヴドスカー

レーヴドスカー：夢を追いかけたフランスの競走馬

レーヴドスカー(1997年4月24日 - 不明)は、フランスで活躍した競走馬にして繁殖牝馬です。その名の通り、「オスカーの夢」を意味するこの馬は、2000年のサンタラリ賞制覇という輝かしい実績を残しました。フランス国内の主要レースで幾度となく上位争いを繰り広げ、さらには日本への遠征、ジャパンカップへの挑戦という国際的な舞台にも足を踏み入れた、実力と人気を兼ね備えた名馬でした。

華麗なるデビューとG1制覇

1999年11月のデビュー戦から、レーヴドスカーは早くからその潜在能力の高さを示しました。デビュー戦こそ2着に敗れましたが、続くセレソレ賞、ペネロープ賞でも2着と、着実に実力を積み重ねていきます。そして、2000年5月、まだ無冠の身でありながら、G1競走であるサンタラリ賞に挑みます。このレースで、デビュー戦で対戦し敗れたフォリダンスを破り、見事初勝利、そしてG1初制覇という快挙を成し遂げました。

栄光と惜敗の連続

サンタラリ賞制覇という大きな成功を収めた後も、レーヴドスカーの挑戦は続きます。しかし、ディアヌ賞ではライバルのエジプトバンド、ヴォルヴォレッタに阻まれ4着に終わります。続くノネット賞では1番人気に推されながら3着、フランス牝馬クラシック三冠最終戦のヴェルメイユ賞でも2着と、惜しくも勝利には届きませんでした。さらに、オペラ賞ではペトルーシュカに次ぐ2着、イタリア遠征のジョッキークラブ大賞でもゴールデンスネークに敗れ2着という結果に終わります。

ジャパンカップへの挑戦と引退

数々の接戦を経験しながらも、レーヴドスカーは2000年11月、日本で行われたジャパンカップに挑戦します。テイエムオペラオーには及ばず7着に敗れましたが、3歳馬の中では最高着順という結果を残しました。このレースを最後に、レーヴドスカーは競走馬としてのキャリアを終え、繁殖牝馬としての道を歩み始めます。

高レベルな世代と繁殖牝馬としての成功

レーヴドスカーの活躍した世代は、フランスの牝馬のレベルが非常に高かったことで知られています。そのライバルたちであるエジプトバンドは凱旋門賞で2着、ヴォルヴォレッタは3着と、いずれもトップレベルの実力を持っていました。引退後、日本のノーザンファームで繁殖入りしたレーヴドスカーは、種牡馬を選ばずに中央競馬で活躍する馬を数多く輩出しました。重賞勝ち馬、重賞で連対した馬、オープン特別を制した馬など、多くの優秀な競走馬を生み出し、繁殖牝馬としても成功を収めました。一方で、体質の弱さから、早期に怪我や病気で引退あるいは死亡する産駒も少なくなかった点が課題として残りました。

「馬なり1ハロン劇場」に登場

G1レースで3度の2着という成績から、レーヴドスカーは漫画『馬なり1ハロン劇場』で取り上げられました。多くのレースで2着という結果を残したことから、「ル・サロン・ダルジャン（銀の会）」という架空のグループを結成し、同じく2着続きだったメイショウドトウを勧誘する、というコミカルな描写がなされました。

血統と未来

レーヴドスカーの血統には、アイリッシュ1000ギニー優勝馬ベスラー(Bethrah)という成功した姪もおり、その血統の素晴らしさが伺えます。レーヴドスカー自身は競走馬としての華々しい活躍だけでなく、繁殖牝馬としての貢献も大きく、フランス競馬史、ひいては世界の競馬史にその名を刻む存在と言えるでしょう。 今後のレーヴドスカーの血統からの活躍にも注目が集まります。

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