ロイド・プライス

ロイド・プライスについて

ロイド・プライス（Lloyd Price）は、1933年3月9日にルイジアナ州ニューオーリンズのケナーで生まれ、2021年5月6日に亡くなったアメリカのR&Bおよびロックンロールのシンガーです。また、実業家としても知られています。彼は音楽界において、特に1952年に発表したヒット曲「Lawdy Miss Clawdy」で著名であり、ローリング・ストーン誌によってロックンロールの時代を築く一曲として称賛されています。

幼少期と音楽活動の開始

プライスは、母親が運営するフィッシュ・フライのレストランで育ち、そこにあったジュークボックスを通じて幼い頃から音楽に熱中しました。彼はルイ・ジョーダンやロイ・ミルトンといったアーティストの音楽に親しむ中で、自然に音楽の道へと進むことになります。10代の頃には、地元のバンドを結成し、ニューオーリンズで活動していたところをデイヴ・バーソロミューに見いだされ、スペシャルティ・レコードと契約することになります。

1952年のデビューシングル「Lawdy Miss Clawdy」は、R&Bチャートで7週間もトップに君臨するヒットとなり、彼の名声を確立しました。

軍隊生活とレコードレーベル設立

1954年には、朝鮮戦争に参加するために軍隊に入隊しました。1957年に復員した後、友人のハロルド・ローガンと共に自身のレーベル「KRC」を設立し、音楽活動を再開しました。彼は「Just Because」（1957年）や「Stagger Lee」（1959年）、「Personality」（1959年）などのヒット曲を生み出し、音楽シーンでの存在感をさらに高めました。その後、1960年代には「ターンテーブル」という別のレコードレーベルも立ち上げています。

音楽活動の中断とビジネスへ

しかし、1969年にローガンが殺害されたことを契機に、プライスは音楽界から距離を置くことになります。1970年代にはアフリカに移住し、ドン・キングやモハメド・アリの試合をプロモーションするなど、音楽以外の分野にも力を入れるようになります。1980年代にはアメリカに戻るものの、音楽活動への復帰は難しくなりました。

再起と功績

1993年にはゲイリーU.S.ボンズやリトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイスと共にヨーロッパツアーを行い、その後もニューオーリンズ・ジャズ＆ヘリテッジ・フェスティバルに出演するなど、再び音楽活動にもコミットしていきます。1998年にはロックの殿堂にも迎え入れられ、彼の功績が正式に認められました。

ビジネス活動と晩年

晩年のプライスは、自身が設立した食品会社「ロイド・プライス・アイコン・フード・ブランズ」の社長としてビジネスの世界で活躍し、アーティストとしての活動よりも事業家としての活動に集中していました。2021年5月6日、彼は88歳でその生涯を閉じました。

代表的なディスコグラフィー

• - 1959年: Exciting Lloyd Price (ABC)
• - 1959年: Mr. Personality (ABC)
• - 1960年: Fantastic (ABC)
• - 1960年: Mr. Personality Sings the Blues (ABC)
• - 1960年: Mr. Personality's Big 15 (ABC)
• - 1961年: Cookin' (ABC)
• - 1961年: Lloyd Price Sings the Million Sellers (Paramount)
• - 1961年: Sings the Million Sellers (ABC)
• - 1963年: Lloyd Price Orchestra (Double)
• - 1963年: 'Misty (Up Front)
• - 1964年: Mr. Rhythm & Blues (Grand Prix)
• - 2017年: This Is Rock and Roll (Double L)

ロイド・プライスは、その音楽キャリアだけでなく、ビジネスの成功をもたらした偉大な人物として、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索