ロイヤル・オーク

ロイヤル・オーク (Royal Oak)

ロイヤル・オークとは、1651年の清教徒革命（イングランド内戦）中、後のイングランド・スコットランド王チャールズ2世が、オリバー・クロムウェル率いる議会派軍に敗北し逃亡した際、身を隠したとされるオーク（イングリッシュオーク）の木に与えられた名前です。

王政復古後の1660年、この木の逸話は広く知られるようになり、王権の象徴として、獅子と一角獣に支えられたオークの木から王が顔を覗かせている図柄の陶器などが多く作られました。また、イギリス国内はもとより、アイルランド、カナダ、アメリカ合衆国、ニュージーランドなど、世界各地に「ロイヤル・オーク」という地名が存在します。イギリス海軍においては、過去に8隻の軍艦が「ロイヤル・オーク」と命名されています。

歴史的背景

1642年に始まった清教徒革命は、1649年にチャールズ1世の処刑という結末を迎えました。当時オランダに亡命していた王子チャールズは、革命に反対するスコットランドから王として迎えられ、1651年1月1日に戴冠式を行いました。しかし、イングランドに侵攻した後、オリバー・クロムウェル率いる議会派軍に大敗を喫し（第三次イングランド内戦・ウスターの戦い）、再び逃亡を余儀なくされました。

チャールズは、王党派の残党と共にシュロップシャーのボスコベル館に逃げ込みました。館の主はカトリック教徒であり、彼らを匿いましたが、議会軍の捜索が館にまで及んだため、チャールズは側近と共に大きなオークの木の枝の中に一晩隠れ、追っ手をやり過ごしました。この木こそが、後に「ロイヤル・オーク」と呼ばれるようになった木です。

1660年に王政復古を果たしたチャールズ2世は、逃亡を助けた人々に対し、子々孫々に至るまで年金を与えたり、王冠とオークの木を組み合わせた紋章の使用を許可するなど、その忠誠に報いました。また、1679年には、天文学者のエドモンド・ハレーによって、この木をモチーフにした星座（チャールズのかしのき座）が制定されています。

現在のロイヤル・オーク

ボスコベル館に現存する樹齢200～300年のオークの木は、当時の「ロイヤル・オーク」そのものではなく、その子孫であると考えられています。この木は「ロイヤルオークの息子（Son of Royal Oak）」と呼ばれています。オリジナルのロイヤル・オークは、17世紀から18世紀にかけて旅行者たちが記念に枝を切って持ち帰ったため、枯れてしまったと言われています。

「ロイヤル・オークの息子」は、2000年の嵐で大きな被害を受け、多くの枝を失いました。翌2001年には、チャールズ3世（当時皇太子）によって、その横にもう1本のオークの苗が植えられました。この苗は、「ロイヤル・オークの息子」のドングリから育ったものであり、まさに「ロイヤル・オークの孫」と言うべき存在です。

外部リンク

First Foot Guards: The Royal Oak
The Fugitive King
“The Leaking Wreck of H.M.S. Royal Oak”. 2010年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月1日閲覧。
Royal Oak Day

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