ロカス環礁

ロカス環礁について

ロカス環礁（Atol das Rocas）は、南緯03度52分、西経33度49分の位置にある大西洋の環礁で、ブラジルのリオ・グランデ・ド・ノルテ州に属しています。この環礁は火山活動が起源であり、サンゴ礁によって形成された独特の地形を持っています。また、一般的にロカス島とも呼ばれることがあります。

環礁の特性

楕円形をしたロカス環礁のサイズは長さ3.7キロメートル、幅は2.5キロメートルで、礁湖の深さは約6メートル、面積は7.1平方キロメートルです。環礁には2つの小島、南西のセミテリオ（Cemitério）島と北西のファロル・カイ（Farol Cay）島があり、2つの小島の合計面積は0.36平方キロメートルです。ファロル・カイ島は、その大部分が砂利で覆われています。最高地点はファロル・カイ島南の砂丘で、そこは約6メートルの高さです。

この小島には、豊かな草や低木が生い茂り、ヤシの木も見ることができます。特にアオウミガメの重要な繁殖地として知られ、他にもタイマイ、アカウミガメ、ニシレモンザメ、カニ、クモ、サソリ、スナノミ、甲虫類、ゴキブリなど多様な生物が生息しています。また、この区域には多くの鳥類も見られます。ロカス環礁は2015年にラムサール条約によって登録され、湿地の重要性が認識されています。

環礁の灯台とその歴史

ファロル・カイ島の北端には灯台が設置され、ブラジルの沿岸警備隊が1960年から使用しています。近くには、1933年以降に放棄された古い灯台も存在し、その歴史を物語っています。

世界遺産登録

ロカス環礁は「ロカス環礁海洋生物保護区」として自然保護区に指定されており、2001年にはフェルナンド・デ・ノローニャ諸島の国立公園と共にユネスコの世界遺産に登録されました。この自然保護区は、面積が32,000ヘクタールに及び、多様な生態系を守るために設けられています。

この区域では、多くのウミガメ、サメ、イルカといった鯨類、さらにはマグロやカジキなどの魚類、熱帯の海鳥、海綿動物、貝類など様々な生物が共存しています。サンゴと紅藻から成る環礁はほとんど閉じており、北側には200メートルの水路、西側には狭い水路があります。この環境に一般人が立ち入ることはほとんどなく、現在は主に科学的調査のために利用されています。

保護と研究の課題

人間の活動から隔離されたロカス環礁は、自然環境が保たれている一方で、研究者にとってはアクセスの難しさから調査が進まないという課題もあります。ただし、昆虫相についてはある程度の記録が残されています。環礁が持つ重要な生態系とそれに付随する生物多様性は、私たちが保護し続けるべき大切な財産です。

登録基準

ロカス環礁は以下の世界遺産登録基準を満たしており、その普遍的な価値が認識されています：

• - (7) 優れた自然美や美的価値を有する地域であること。
• - (9) 生態系や生物群集の進化における重要な生物学的プロセスを示す例として価値があること。
• - (10) 生物多様性の保全において極めて重要な自然生息地であり、絶滅の恐れのある種が生息する地域であること。

ロカス環礁は、私たちの自然界における価値ある存在として、引き続きその魅力を保ち続ける必要があります。

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