ロケット飛行機の一覧

ロケット飛行機

ロケット飛行機とは、ロケット推進を主たる動力源とする航空機のことです。初期の航空機にはロケットエンジンを搭載したものもありましたが、ジェットエンジンの発達に伴い、その多くがジェットエンジンに置き換えられました。ロケットエンジンは、燃料と酸化剤を必要とするため、大気圏内での飛行には不向きな点が課題でした。

また、ロケット燃料を使い果たした後は滑空するしかなく、高速飛行を前提とした機体構造では、滑空時の操縦が非常に困難で危険を伴いました。以下に、ロケット飛行機として開発された主な機体を示します（初動力飛行の年を記載）。

1928年 ドイツ - リピッシュ エンテ (試作機)
1929年 ドイツ - オペル RAK1 (試作機)
1939年 ナチス・ドイツ - ハインケル He176 (試作機)
1940年 ソビエト連邦 - コロリョフ RP-318 (試作機)
1940年 ナチス・ドイツ - DFS194 (試作機)
1941年 ナチス・ドイツ - メッサーシュミット Me163 (DFS194を改良, 迎撃戦闘機として量産)
1942年 ソビエト連邦 - ベレズニャク・イサエフ BI-1 (迎撃戦闘機の試作機)
1944年 日本 - 桜花 11型 (特攻機として量産)
1945年 ナチス・ドイツ - バッヘム Ba349 (迎撃戦闘機)
1945年 日本 - 十九試局地戦闘機 秋水 (迎撃戦闘機の試作機)
1946年 アメリカ合衆国 - ベル X-1 (超音速飛行実験機)
1947年 ソビエト連邦 - ミコヤン・グレヴィッチ I-270 (試作機)
1951年 アメリカ合衆国 - ダグラス D-558-2 スカイロケット (超音速飛行実験機)
1955年 アメリカ合衆国 - ベル X-2 (超音速飛行実験機)
1968年 アメリカ合衆国 - ノースロップ HL-10 (リフティングボディ実験機)
1970年 アメリカ合衆国 - マーチン・マリエッタ X-24 (リフティングボディ実験機)
1970年 アメリカ合衆国 - ノースロップ M2-F3 (リフティングボディ実験機, 滑空飛行中に破損したM2-F2を再設計)
2001年 アメリカ合衆国 - エックスコア イージーロケット (ルータン ロングイージーのレシプロエンジンをロケットエンジンに換装した実証機)

これらの機体は、実験機や試作機としての側面が強く、実用的な航空機として定着したものはありませんでした。しかし、これらの開発で得られたデータや技術は、後の航空宇宙技術の発展に大きく貢献しました。

スペースプレーン

スペースプレーンとは、宇宙空間に到達可能な航空機のことを指します。ロケット推進を用いる点ではロケット飛行機と共通ですが、スペースプレーンは、地球周回軌道への投入や、宇宙空間での活動を目的とする点が異なります。以下に主なスペースプレーンとその初宇宙飛行年を示します。

1963年 アメリカ合衆国 - ノースアメリカン X-15 (極超音速飛行実験機、有人で2回カーマン・ラインに到達)
1981年 アメリカ合衆国 - スペースシャトル (有人)
1988年 ソビエト連邦 - ブラン (無人、有人飛行が計画されていた)
2004年 アメリカ合衆国 - スペースシップワン (有人)
2010年 アメリカ合衆国 - ボーイング X-37B (技術実証機、無人)

スペースプレーンは、宇宙へのアクセスをより手軽にするための技術として開発が進められています。スペースシャトルは、再利用可能な宇宙往還機として、長年活躍しましたが、コストや安全性の問題から退役しました。現在では、より低コストで安全な宇宙輸送システムの開発が進められています。

関連項目

ロケット一覧
* ミサイル一覧

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