ロサンゼルス郡都市圏交通局

ロサンゼルス郡都市圏交通局 (LACMTA) の概要

[ロサンゼルス]]郡都市圏交通局 (LACMTA) は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス郡における公共交通機関の運営・計画を担う主要な公共事業体です。通称「メトロ (Metro)」として知られ、広大なロサンゼルス都市圏において、バス、地下鉄、ライトレールなどの多様な公共交通サービスを提供しています。その規模はアメリカ合衆国で2番目に大きく、運営地域は1433平方マイルにも及びます。ピーク時には約2000台のバスが運行され、圧縮天然ガス]バスの導入においては全米最大規模を誇ります。LACMTAは[[交通計画、交通政策、財政計画策定などの業務も行い、ロサンゼルス都市圏の交通インフラを支える重要な役割を担っています。

LACMTAの歴史

LACMTAの前身となる事業体は、複数の民間企業でした。

パシフィック電鉄

1890年代に郊外路線の建設が始まり、1911年の大統合を経て、ロサンゼルス都市圏の郊外地域へ鉄道路線とバス路線を運行していました。1953年には電車運行権をメトロポリタン・コーチ・ラインズに譲渡しました。

ロサンゼルス鉄道 (LARy)

1874年の馬車鉄道を起源とし、1886年から路面電車の運行を開始しました。1894年の設立以降、競合他社を吸収合併し、拡大を続けました。最盛期には500kmの軌道延長と800両の車両を運行し、1930年代からはバス路線の整備にも力を入れていました。軌道幅がパシフィック電鉄と異なっていたため、市内には三線軌条が設置されていました。

ロサンゼルス・トランジット・ラインズ

1944年、ロサンゼルス鉄道と市内のバス路線を統合して設立されました。ゼネラルモーターズ傘下のナショナル・シティ・ラインズの支配下にあった期間には、路面電車路線が減少しましたが、全廃は免れました。トロリーバスの運行や、ショッピングセンターとの連携による無料乗車証発行などの積極的な施策も実施していました。

公営化

高速鉄道やモノレールの計画実現を目指し、1951年にロサンゼルス都市圏交通局が設立されました。1958年にはメトロポリタン・コーチ・ラインズとロサンゼルス・トランジット・ラインズを買収し、都市圏の鉄道とバスの運行を一元化しましたが、モノレール計画は実現しませんでした。その後、南カリフォルニア高速交通局を経て、1993年にロサンゼルス郡交通委員会と統合され、現在のロサンゼルス郡都市圏交通局が誕生しました。

LACMTAの鉄道路線

LACMTAは複数の鉄道路線を運営しています。

A線 (ブルーライン)

ロサンゼルス中心部からロングビーチを結ぶLRT路線です。パシフィック電鉄ロングビーチ線の跡地を活用し、1989年から1990年にかけて建設されました。軌間は1435mm、架空電車線方式です。2023年のRegional Connector開通に伴い、ゴールドライン(旧L線)との直通運転が開始されました。

B線 (レッドライン)

ユニオン駅からノースハリウッドを結ぶ地下鉄路線です。1993年に開業し、2000年にノースハリウッドまで延伸されました。Wilshire/Vermont駅で二方向に分岐しており、Union Station - North Hollywood間がB線、Union Station - Wilshire/Western間がD線として運行されています。

C線 (グリーンライン)

レドンドビーチとノーウォークを結ぶLRT路線です。1995年に開業し、ロサンゼルス南部を東西に横断します。高速道路I-105の高架線路上を走行します。

D線 (パープルライン)

ユニオン駅からWilshire/Western駅を結ぶ地下鉄路線です。当初はB線の本線でしたが、2000年のハリウッド方面への分岐線開設以降、支線となっています。サンタモニカ・ビーチへの延伸計画が進められています。

E線 (ゴールドライン)

ダウンタウン・サンタモニカとアトランティックを結ぶLRT路線です。旧称はエキスポラインです。2012年4月22日にCulver Cityまで開通、2023年のRegional Connector開通により、旧L線と統合されました。

K線 (ピンクライン)

エクスポ/クレンショーとウエストチェスター/ヴェテランズ駅を結ぶライトレール路線です。2022年10月7日に開業しました。2024年にはロサンゼルス国際空港を経てC線に接続する予定です。

L線 (廃止)

アトランティックとAPU/シトラスカレッジ駅を結ぶLRT路線でした。2023年のRegional Connector開通に伴い、A線とE線に統合されました。

ピンクライン (未開業)

レッドラインのHollywood/Highland駅から、Wilshire/Beverly駅を経て、Hollywood/Highland駅に戻る環状線です。建設中です。

LACMTAのバス路線

LACMTAは、191系統、18500以上の停留所を擁する広範なバス路線網を運営しています。バスは、メトロ・ローカルバス、メトロ・快速バス（メトロ・ラピッド）、メトロ・エクスプレスなどに分類されます。

メトロ・ローカルバス

一般的なバス路線で、オレンジ色のバスが使用されます。

メトロ・快速バス (メトロ・ラピッド)

所要時間短縮のための工夫が施された路線で、赤色のバスが使用されます。

メトロ・エクスプレス

高速道路経由の路線で、ダークブルーのバスが使用されます。追加料金が必要です。

オレンジライン

サン・フェルナンド渓谷のバス専用道路を走行する路線です。

LACMTA以外にも、ロサンゼルス市などの自治体が独自にバス路線を運行しています。また、ユニオン駅から発着する通勤鉄道メトロリンクは、南カリフォルニア地域鉄道局(SCRRA)が運営しています。

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