ロシアによるスームィ州占領
スームィ州におけるロシア軍の占領
2022年2月24日、ロシアはウクライナへの全面侵攻を開始し、その過程でスームィ州の一部を占領しました。この軍事占領は、ロシア軍が州内の複数の都市を制圧したことで始まりました。州都であるスームィは、激しい戦闘（スームィの戦い）に見舞われたものの、ロシア軍による占領は免れました。しかし、コノトプやトロスティアネッツといった他の重要な都市は、ロシア軍によって占拠されることとなりました。
コノトプの占領
2月25日、ロシア軍はロシア国境から約90km離れたコノトプ市を占領しました。この占領は、コノトプの戦いとして知られています。3月2日には、コノトプ市長アルテム・セミニクヒンが、市民が抵抗を続ける場合、ロシア軍が市を砲撃すると警告を受けたと発表しました。しかし、市民は圧倒的に抵抗を選択し、市当局はロシア軍との交渉に入りました。交渉の結果、ロシア軍は市政府の変更、市内への部隊配備、交通の妨害、ウクライナ国旗の撤去を行わないことに同意し、代わりに市当局は住民がロシア軍を攻撃しないことを約束しました。
3月7日、ウクライナ軍参謀本部は、コノトプにおけるロシア軍が大きな損害を受け、部隊の再編成と補給が必要になったと発表しました。3月15日には、コノトプからの市民避難のための人道回廊の開設で、ウクライナとロシアの間で合意が成立しました。しかし、3月28日、ロシア軍はコノトプの橋を破壊しました。
4月2日には、ロシア軍がコノトプ地区に回廊を維持し、キーウやチェルニーヒウからの装備をロシアに引き揚げていると報告されました。4月3日、ウクライナの国会議員オレクサンドル・カチューラは、ロシア軍がコノトプ地区から完全に撤退したと発表しました。4月4日、スームィ州知事ドミトロ・ジビツキーは、ロシア軍がスームィ州内のどの都市や村も占領しておらず、大部分が撤退したが、ウクライナ軍が残存部隊を排除するために活動していると述べました。さらに、4月5日には、コノトプ地区で拷問を受けた少なくとも3人の民間人の遺体が発見されました。
トロスティアネッツの占領
3月1日、ロシア軍はトロスティアネッツを占領し、この都市に対する軍事占領を開始しました。ロシア軍の司令部は、トロスティアネッツの主要鉄道駅に設置されました。3月中旬には、一部のロシア軍はロシアが支援する分離主義者の部隊と交代しました。約800人のロシア兵が市を占領し、その間、ウクライナの警察官は身分を隠して市内に留まり、地元の民間人やパルチザン部隊を支援しました。ウクライナ軍は市の南の橋を破壊し、ロシア軍の進撃を遅らせました。トロスティアネッツの市長ユーリ・ボヴァは、市の郊外の村に隠れていましたが、批判を受けながらも、ロシア軍の陣地への砲撃を含むウクライナの抵抗を組織し続けました。3月上旬には、ロシア軍による民間人の処刑に関する報告も上がりました。
ウクライナ軍の反撃と占領の終結
3月23日、ウクライナ軍は反撃を開始し、3月26日までにトロスティアネッツを奪還しました。戦闘中、市の病院が砲撃され、住民はロシア軍を非難しました。市の郊外での戦闘と砲撃の後、ロシア軍はウクライナ軍の到着前に大部分が撤退しました。AFPの報告によると、破壊または損傷した戦車と装甲車は1ダースに上りました。ニューヨーク・タイムズは、ウクライナ軍が市を奪還した時、食料が不足していたと報じています。
4月7日、スームィ州知事ドミトロ・ジビツキーは、すべてのロシア軍がこの地域から撤退したが、ロシア軍が残した爆発物が多くの場所にあり、まだ安全ではないと述べています。これにより、スームィ州におけるロシア軍の占領は公式に終結しました。
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