ロシア連邦とドネツク人民共和国及びルガンスク人民共和国との間の友好協力相互支援協定

ロシアとドネツク・ルガンスク人民共和国間の友好協力相互支援協定

この協定は、ロシア連邦がドネツク人民共和国およびルガンスク人民共和国との間で締結した、友好、協力、相互支援を目的とする条約です。

概要

2022年2月21日に署名され、同年2月25日に発効しました。この協定は、ロシアが2022年2月24日に開始したウクライナ侵攻の根拠の一つとされています。締結期間は2022年から10年間とされ、主な目的は、外交政策における協力、平和の維持、安定と安全の向上、そして主権と領土保全における相互支援です。

協定締結の経緯

2022年2月21日:
ロシア連邦のウラジーミル・プーチン大統領が、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立を承認しました。
アンドレイ・ルデンコ外務副大臣が、両人民共和国との協定締結の責任者として、ロシア連邦議会下院の公式代表に任命されました。
2022年2月22日:
ロシア連邦議会下院が協定を批准しました。
ドネツク人民共和国人民評議会が協定を批准し、87人の議員全員が賛成したため、ドネツクの首長デニス・プシーリンによって署名されました。
ルガンスク人民共和国人民評議会も協定を批准し、46人の議員全員が賛成したため、ルガンスクの首長レオニード・パセチニクによって署名されました。

協定の内容

条約の規定では、以下の点が定められています。

締結国間の関係は、「国家主権と領土保全の相互尊重、紛争の平和的解決、経済的圧力による脅威への対応」に基づいて構築される。
外交政策の分野で緊密に協力する。
共同防衛、平和維持、相互の安全を確保するために協議を行う。
協議の過程で、脅威を排除するために、一方の締約国が他方の締約国に提供する支援の種類、量、必要性が決定される。

この協定は、ロシアとドネツク、ルガンスク両人民共和国の間の関係を強化し、安全保障と協力体制を確立するための重要な枠組みとなっています。

この協定が、その後のロシアによるウクライナ侵攻の根拠となった背景には、ウクライナ東部における紛争の複雑な状況が深く関わっています。この協定締結を契機として、ロシアはドネツクおよびルガンスク両人民共和国への軍事支援を強化し、ウクライナに対する軍事行動を開始することとなりました。

この協定の内容は、締結国間の相互協力と安全保障を目的としていますが、国際社会からはその合法性や侵略行為の正当化との関連について、様々な議論がなされています。


[外部リンク]

“Договоры с ДНР и ЛНР внесли на ратификацию в Думу”. РБК. (22 февраля 2022). https://www.rbc.ru/politics/22/02/2022/62140fe49a79475e8e9941bb 2022年2月22日閲覧。
* “Полный текст договоров о дружбе и взаимопомощи между Россией и ДНР и ЛНР”. Эхо Москвы (22 февраля 2022). 2022年2月22日閲覧。

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