ロシア連邦大統領

ロシア連邦大統領について

ロシア連邦大統領は、同国の元首として重要な役割を担っています。大統領は国民による直接選挙を通じて選ばれ、被[[選挙権]]を有するのはロシアに10年以上居住している35歳以上のロシア国民です。選挙では、候補者が過半数の票を得られない場合には上位2名による決選投票が行われます。本来の任期は4年でしたが、2008年に憲法が改正され、以降の選挙からは6年となりました。また、連続での就任は最大で12年間まで認められていますが、他の候補者を一旦挟むことで同一人物でも再び当選が可能となる仕組みがあります。

さらに、ロシア連邦大統領には弾劾手続きが存在します。大統領が国家反逆罪や重大犯罪で告発された場合、連邦議会上下院の3分の2以上の賛成を経て、最高裁判所及び憲法裁判所で審査されることが必要です。このような重責を担う大統領の権限は非常に幅広いため、フランスの半大統領制を参考にした制度設計がなされています。

大統領の権限

大統領には以下のような権限が付与されています。

• - 首相及び内閣メンバーの指名・任免権（ただし、首相は国家院の承認が必要）
• - 国家院（下院に相当）の解散権
• - 大統領令の発布権
• - 法案の拒否権
• - 軍への指揮権
• - 戒厳令・非常事態宣言の発令権
• - 国民投票の実施権

これらの権限は、国内外の政策決定や危機管理に大いに関与します。権力が集中するため、大統領は政府のさまざまな重要な決定に直接影響を及ぼすことができます。

大統領代行

大統領が職務を一時的に行えない場合は、ロシア連邦首相が大統領職務代行を務めることが定められています。

就任式とその後の公務

大統領の就任式は、クレムリン大宮殿内の特定の部屋で行われます。式では連邦大統領旗や大統領勲章、憲法の特別写本が用意され、新大統領は憲法に手を置いて宣誓を行います。その後、ロシア連邦国歌と共に新大統領が最初の演説を行い、各種の儀式が進行します。

その後の具体的な活動としては、大統領が大聖堂広場での連隊閲兵にも参加します。さらに、退任後の公務として、歴代の大統領もそれぞれの経験を生かし、国政に関与することがある点も注目です。

官邸・公邸

大統領の官邸はモスクワ・クレムリン内に位置し、歴史的には帝政時代に元老院が使用していた場所です。一方、公邸はモスクワ郊外のオジンツォボ地区に設けられています。また、ストリェリナやヴァルダイなど、他の地域にも大統領の別荘が点在しています。

このように、ロシア連邦大統領の制度は多層的であり、その権限と役割は国内外において重要な意味を持っています。

もう一度検索