ロジェ・エイム

ロジェ・エイムについて

ロジェ・エイム（Roger Heim, 1900年2月12日 - 1979年9月17日）は、菌類に関する先駆的な研究で知られるフランスの植物学者です。彼の業績は、菌類の分類学や強い催幻覚作用を持つキノコの研究に大きく寄与しました。

略歴

エイムはパリで生まれ、エコール・サントラルで学びました。化学技術者としての訓練を受けた後、キノコに対する情熱を持ち、菌類研究を進めました。1935年にルーマニアの菌学者Panca Eftimiuと結婚し、二人の息子、ジャン＝ルイ・エイムは後に古人類学の研究者となりました。

第二次世界大戦中、エイムは[フランス]]のレジスタンスに参加し、戦後も科学界で重要な役割を果たしました。1951年から1965年にかけて、パリの国立自然史博物館の館長を務め、国内外での博物館活動に貢献しました。また、[[国際自然保護連合]の設立者の一人であり、1954年から1958年までIUCNの会長を務め、自然保護の重要性を広める活動に尽力しました。

菌類研究の業績

ロジェ・エイムは、チチタケ属（Inocybe）やベニタケ属（Russula）、ハラタケ科（Strophariaceae）などの分類学研究において重要な貢献をしています。特にロバート・ゴードン・ワッソンと協力して、強い催幻覚作用があるキノコの研究を行い、その成果としてシロシビンやシロシンといったアルカロイドの発見に繋がる重要な研究を展開しました。

1958年には、ダーウィン＝ウォレス・メダルを受賞し、1973年にはアメリカ菌学会の名誉会員として認められました。これらの栄誉は彼の研究の重要性と影響を示すものです。

主な著作

ロジェ・エイムは多くの著作を残しており、その中には次のようなものがあります：

• - Le genre Inocybe (1931) - 432ページでチチタケ属の詳細を扱った著作。
• - Les Champignons (1948) - キノコの世界の奇妙さを描いた143ページの書籍。
• - Les Champignons d'Europe (1957) - ヨーロッパのキノコに関する詳細な調査報告、全2巻。
• - Les champignons hallucinogens du Mexique (1958) - ワッソンと共著の強い催幻覚性をもつキノコに関する研究。
• - Les Champignons Toxiques et Hallucinogènes (1963) - 毒性および催幻覚作用を持つキノコに関する320ページの著作。

彼の著作は、菌類研究者や自然保護活動に関心を持つ人々にとって貴重な資料となっています。エイムの業績は、菌類の多様性や役割を理解する上で重要な礎を築きました。

結論

ロジェ・エイムは、菌類研究における先駆者であり、その業績は今なお多くの研究者に影響を与えています。彼の生活と仕事の全貌は、自然に対する彼の情熱と深い知識を物語っています。

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