ロジャー・バブソン

ロジャー・ワード・バブソン

ロジャー・ワード・バブソン（1875年 - 1967年）は、アメリカで著名な投資家であり経済理論家です。最も知られているのは、彼が創設したバブソン大学であり、また、ウェバー大学やユートピア大学、さらにフロリダ州ポーク郡に存在するバブソンパークの創設者でもあります。

生涯

バブソンは、マサチューセッツ州グロスターに生まれたバブソン家の10代目で、ナサニエル・バブソンとエレン・スターンズの子として育ちました。彼はマサチューセッツ工科大学（MIT）で工学を学び、1898年に卒業し、ボストンの投資会社に参加しましたが、方針に対する疑念から解雇されます。その後、個人投資家としてのキャリアを築き、1900年には別の投資会社に勤務しました。

1904年、妻と共にバブソン統計協会を設立し、経済分析や株式市場のレポートを発行しました。彼の正確な予測により資産を築き、その後、1919年にバブソン大学を設立しました。バブソンは二度結婚し、最初の妻グレースと死別後、ノーナ・M・ドハティと再婚しました。1967年にバブソン自身も生涯を閉じました。

経済理論の研究

バブソンは株式市場において異なる見解を持ち、成功を収めました。彼はニュートンの作用反作用の法則を用いて市場の動きを説明しようとし、独自の予測手法を開発しました。また、MIT在学時代にビジネスコースの設置を提案し、その後のMBAプログラムの創設に貢献しました。

生涯で40冊以上の経済や社会問題に関する著作を執筆し、その中でも特に「Business Barometers」や「Business Barometers for Profits, Security, Income」は広く知られています。バブソンはまた投資アドバイザーとしても活動し、1904年にアメリカ初の投資ニュースレターを発行しました。

彼は「バブソンチャート」と呼ばれる市場の動きを示す手法を開発し、更に改良されたアンドリューズ・ピッチフォークは今日のトレーダーにも利用されています。バブソンは自身の投資管理の信念として「投資十戒」を制定し、これを共有しました。

証券市場の暴落予測

バブソンは1929年9月、全米ビジネス会議でウォール街の暴落を予測しました。バブソンの講演の直後に株式市場は大きく下落し、彼の名がついた「バブソン暴落」と呼ばれる事件が発生しました。その後、彼は市場の動向に注意を促し、投資家に「借金を返済し、信用投資を避けるべきだ」とアドバイスしました。

政治活動と重力研究財団の創設

バブソンは1940年のアメリカ大統領選挙に禁酒党から立候補しましたが、成功には至りませんでした。1948年には重力研究財団を設立し、ニューハンプシャー州ニューボストンに研究拠点を設けました。彼の科学への関心は、特にアイザック・ニュートンへの admiration に表れており、ニュートンの理論を経済学に応用しました。バブソンの妻、グレースもニュートンに深い関心を持ち、彼の著作物を多数収集しました。

バブソン岩

バブソンは、グロスターの歴史的な地域、ドッグタウンにも関心を持っていました。世界恐慌の時代に、失業した石工たちを支援するために岩に碑文を彫刻するプロジェクトを立ち上げ、「バブソン岩」として知られるこれらの岩には、仕事や借金に関するメッセージが刻まれています。現在ではハイキングコースとしても利用されており、彼の遺産の一部となっています。

彼の貢献は多岐にわたり、教育から経済学、さらには地域社会への影響を持っています。バブソンの理念と活動は、今なお多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

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