ロックフィールド・スタジオ

ロックフィールド・スタジオ：音楽史を彩る聖地

ロックフィールド・スタジオは、ウェールズのモンマス近郊に位置する、音楽史に名を刻む録音スタジオです。その歴史は1963年、キングズリーとチャールズ・ウォード兄弟が既存の農家を改修したことから始まりました。1965年には、世界初の宿泊施設を備えた録音スタジオとなり、ミュージシャンたちが創造性を追求できる環境を提供し続けています。

スタジオは、デジタルとアナログの両方のレコーディングに対応した「コーチ・ハウス・スタジオ」と「クォッドラングル・スタジオ」の2つで構成されています。それぞれのスタジオが独自の個性と歴史を持ち、様々なジャンルの音楽制作に貢献してきました。

数々の名曲が生まれた場所

ロックフィールド・スタジオから生まれた最初の大きなヒットは、デイヴ・エドモンズの「アイ・ヒア・ユー・ノッキング」（1970年）でした。その後、バッジー、ホークウインド、ピーター・ハミル、エースといったアーティストたちが、ここで重要な作品をレコーディング。特にクイーンは、1975年にアルバム『オペラ座の夜』のレコーディングを開始し、その中に伝説的な楽曲「ボヘミアン・ラプソディ」が含まれています。また、モーターヘッドも初期の頃にこのスタジオでレコーディングを行い、ロックフィールド・レーベルと契約していました。

1996年から1997年の間には、オアシス、ブラック・グレープ、ザ・シャーラタンズ、ブー・ラドリーズといったバンドがロックフィールドでレコーディングを行い、5枚のアルバムが全英トップを獲得するという輝かしい記録を打ち立てました。

コーチ・ハウス・スタジオ

1968年に建てられたコーチ・ハウス・スタジオは、ヴィンテージ物のマイクロフォン・アンプとイコライザを備えています。メインのミキシング・コンソールは NEVE 8128 で、Neve 1060 マイクロフォン・アンプ、Rosser マイクロフォン・アンプ、API 550 イコライザ、Urei 1060 コンプレッサが搭載されています。演奏室は、バンドのレコーディングに最適な音響効果が得られるように設計されており、ライブ演奏室、石造りのドラム演奏室、異なる音響効果を持つドラム演奏室、アイソレーション・ブースが用意されています。オアシス、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、シンプル・マインズなどがここでレコーディングを行いました。

クォッドラングル・スタジオ

1973年に建てられたクォッドラングル・スタジオは、クイーンが「ボヘミアン・ラプソディ」をレコーディングした場所として特に有名です。メインのミキシング・コンソールは MCI 500 で、Neve 1060 マイクロフォン・アンプ、Rosser マイクロフォン・アンプ、API 550 イコライザ、Urei 1060 コンプレッサが搭載されています。演奏室はバンドの生演奏レコーディングを想定して設計されており、ライブ演奏室、異なる音響効果を持つ広いドラム演奏室、アイソレーション・ブースが、中央コントロール室に沿って配置されています。マニック・ストリート・プリーチャーズ、ロバート・プラント、コールドプレイなどがここでレコーディングを行いました。

ロックフィールド・スタジオが輩出したアーティストたち

ロックフィールド・スタジオは、時代を超えて様々なアーティストに愛されてきました。そのリストは枚挙にいとまがありません。以下に代表的なアーティストを年代順に示します。

1960年代: ジ・インターンズ、ラヴ・スカルプチャー
1970年代: エース、クイーン、ブラック・サバス、バッジー、モーターヘッド
1980年代: アダム&ジ・アンツ、バウハウス、イギー・ポップ、シンプル・マインズ
1990年代: オアシス、コールドプレイ、マニック・ストリート・プリーチャーズ
2000年代: カサビアン、ザ・コーラル、ザ・ダークネス
2010年代: カサビアン、ザ・マッカビーズ

ロックフィールド・スタジオは、単なる録音スタジオではなく、音楽史に輝く数々の名作を育んだ創造の源泉です。その豊かな歴史と伝統は、これからも多くのミュージシャンにインスピレーションを与え続けるでしょう。

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