オペラ座の夜

クイーン『オペラ座の夜』詳細解説

概要

『オペラ座の夜』（A Night at the Opera）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1975年に発表した4枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは、クイーンの音楽キャリアにおける重要な転換点となり、彼らの代表作の一つとして広く認知されています。

制作背景と特徴

アルバムは、当時イギリスのポピュラー音楽史上、最高額となる制作費が投じられました。その結果、多様な音楽スタイルが融合した、非常に凝った作品に仕上がっています。特に、「ボヘミアン・ラプソディ」は、オペラ、ロック、バラードの要素を組み合わせた画期的な楽曲で、シングルカットされると、イギリスのチャートで9週間連続1位を記録し、世界中で大ヒットしました。ミュージック・ビデオも、当時の音楽プロモーションの概念を覆す革新的なもので、音楽業界に大きな影響を与えました。

本作と次作のアルバムタイトルは、アメリカのコメディグループ、マルクス兄弟の映画タイトルから採られています。また、アルバムジャケットに描かれたロゴマークは、フレディ・マーキュリーがメンバー4人の誕生星座をアレンジしたデザインです。

ローリング・ストーン誌の選ぶオールタイム・ベストアルバム500では、128位にランクインしており、その音楽的評価の高さを物語っています。2019年には、本作の世界観を舞台化したNODA・MAPの公演『Q : A Night At The Kabuki』も上演され、新たな形でファンを魅了しました。

リリースとエディション

2002年にはDVD-Audio版がリリースされ、全曲がdts 5.1chサラウンドで楽しめるようになりました。その後、2005年には、最新リマスターを施した30周年記念盤が発売され、ファンに再び注目されました。

収録曲解説

アルバムには、多彩なジャンルの楽曲が収録されており、各メンバーの個性が際立っています。

1. デス・オン・トゥー・レッグス (Death on Two Legs (Dedicated To...))
2. うつろな日曜日 (Lazing On A Sunday Afternoon)
フレディ・マーキュリー作曲。独特なメガフォンのようなサウンドが特徴です。
3. アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー (I'm In Love With My Car)
ロジャー・テイラーがリードボーカルを務めるハードロックナンバーです。
4. マイ・ベスト・フレンド (You're My Best Friend)
ジョン・ディーコンが作曲した、彼の初シングルカット曲であり、初のヒット曲です。
5. '39
ブライアン・メイ作曲。コントラバスが使用されたユニークな楽曲です。
6. スウィート・レディ (Sweet Lady)
ブライアン・メイ作曲。複雑なリズム構成が特徴的なロックナンバーです。
7. シーサイド・ランデヴー (Seaside Rendezvous)
フレディ・マーキュリー作曲。カズーを模したユニークなサウンドが特徴です。
8. 預言者の唄 (The Prophet's Song)
ブライアン・メイ作曲。クイーンの楽曲の中で最長を誇る大作です。
9. ラヴ・オブ・マイ・ライフ (Love Of My Life)
フレディ・マーキュリー作詞作曲のバラードで、ライブでも人気の高い曲です。
10. グッド・カンパニー (Good Company)
ブライアン・メイが全ての楽器を演奏したジャズ風の楽曲です。ウクレレは日本製を使用。
11. ボヘミアン・ラプソディ (Bohemian Rhapsody)
クイーンを代表する大ヒット曲。オペラ、ロック、バラードが融合した画期的な楽曲です。
12. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン (God Save The Queen)
イギリス国歌をブライアン・メイがアレンジしたインストゥルメンタルナンバーです。

担当メンバー

フレディ・マーキュリー：リードボーカル、ピアノ
ブライアン・メイ：ギター、ボーカル
ロジャー・テイラー：ドラムス、ボーカル
ジョン・ディーコン：ベースギター、エレクトリック[[ピアノ]]

影響と評価

アルバムは、商業的な成功だけでなく、音楽的にも高い評価を受け、クイーンの地位を確立しました。『ボヘミアン・ラプソディ』は、グラミー賞で2部門を受賞し、その革新性が認められました。ブライアン・メイは、このアルバムの成功がなければ、クイーンは解散していただろうと語っています。

チャートと売り上げ

イギリスでは1位、アメリカでは4位を獲得しました。その売り上げは全世界で数百万枚に達し、クイーンの代表作としての地位を不動のものとしました。

もう一度検索