ロック・スター

映画『ロック・スター』の概要

『ロック・スター』（原題：Rock Star）は、2001年に公開されたアメリカの映画で、製作総指揮にはジョージ・クルーニーが名を連ねています。本作は、元々はイギリスのヘヴィメタルバンド「ジューダス・プリースト」に加入した無名のローカルバンドのボーカリスト、ティム・オーウェンズの実話を元にして制作される予定でした。この物語は「メタルゴッド」というタイトルで企画されていましたが、商標登録の問題やバンド側の難色のため、最終的には「ロック・スター」というタイトルに変更されました。

映画の中には、架空のバンド「スティール・ドラゴン」のメンバーとして、実際のプロミュージシャンが出演しています。例えば、ザック・ワイルドやレッド・ツェッペリンのドラマー、故ジョン・ボーナムの息子であるジェイソン・ボーナム、ドッケンの元ベーシストであるジェフ・ピルソンが役に起用され、レコーディングも実施しました。また、ソール役にはアルター・ブリッジのマイルズ・ケネディが選ばれ、彼の歌声が劇中で使用されています。主演のマーク・ウォールバーグが演じるイジーの歌声は、スチールハートのボーカル、マイク・マティアビッチによるもので、音楽はイエスのトレヴァー・ラビンが手がけています。

あらすじ

物語は、クリス・コールという若者に焦点を当てています。彼は名声を持つロックバンド「スティール・ドラゴン」とそのカリスマボーカル、ボビー・ビアーズに強い憧れを抱きながら、昼間はセールスマンとして働き夜はアマチュアバンド「ブラッド・ポリューション」のボーカルとして活動しています。彼はスティール・ドラゴンの曲をカバーし、熱気に満ちたパフォーマンスで観客を魅了しています。

しかし、ある夜のライブでクリスは、音楽に対する考え方の違いからギタリストと激しく衝突してしまい、次のリハーサルでは新しいボーカリストが加入していることに気付きます。結果的に、彼はバンドを追い出されることに。彼の恋人でありマネージャーでもあるエミリーは、「ビジネスウーマン」である自分の立場を重視し、クリスと共にバンドを辞める決断をします。

失意の中にいたクリスは、ある日「スティール・ドラゴン」のカークから、新しいボーカルとして招待される電話を受け取ります。オーディションを経て、彼はついに憧れのバンドである「スティール・ドラゴン」の新ボーカル「イジー」として名声を得ることになります。しかし、華やかなロックスターとしての生活が始まると、彼は次第に自分自身を見失っていき、エミリーも離れていきます。

バンド内では、自分の意見を求められずただボビーの代役として存在していることに気づくクリス。一日のライブ中、彼はかつての自分を思い出し、最前列のファンをステージに引き上げて共に歌います。この瞬間、彼は本来の自分を取り戻し、バンドを去る決意を固めます。後にクリスは自分の音楽を追求するため新たなバンドで活動を再開し、その際に再びエミリーと出会い、和解を果たすこととなります。

キャストと制作

本作には多くの才能あるキャストが揃っており、視覚と聴覚の両方で楽しませてくれる作品であると同時に、人間の内面の葛藤をも描き出しています。音楽の面でも高い評価を得ており、心に響くストーリーが多くの観客の心を掴みました。

詳細にわたるストーリーと感動の音楽が融合した『ロック・スター』は、ロックミュージック文化の一端を描きつつ、自己アイデンティティの探求についても深く掘り下げた作品です。

もう一度検索