ロッジア

ロッジア (Loggia)

ロッジアは、イタリアの建築デザインに起源を持つ構造様式であり、特徴的にはファサードの一方に開かれた廊下の形をとります。この廊下は、一定間隔で配置された柱または壁に設けられた開口部によって支えられています。ロッジアは一般的に「開廊」や「涼み廊下」とも呼ばれ、地上階に存在する場合には「回廊」としても知られていますが、上層階に設置されることもあります。

ロッジアの起源を代表する例として、フィレンツェのオスペダーレ・デッリ・インノチェンティのファサードに設けられたブルネレスキの手によるものがあります。この作品は特に有名で、ロッジアのデザインがどのように取り入れられるかの良いモデルとなっています。

様々な機能と構造

ロッジアは、ポルチコの代替として使用されることもあり、この形式では基本的に出入り口となる役割を果たします。ロッジアとポルチコの主たる違いは、使用される場所と内部アクセスの仕方にあります。ポルチコは屋外から直接内部に入ることができる一方で、ロッジアは基本的に内側からのみアクセスすることが可能であり、主に休息するための空間として利用されます。そのため、上級階級の邸宅や公共の建物によく見られる構造です。

ロッジアは、時折メインフロアの上にさらにロッジアを配するデザインが見られます。このスタイルは「ダブル・ロッジア」と呼ばれ、視覚的な美しさを強調するために、上部にペディメントを配置することがあります。このような設計は、特にファサードの魅力を引き立てる要素として機能します。

現代の利用法

現在では、装飾的な戦略として小規模な夏の別荘にロッジアが設けられることがあり、多くの場合、居心地よい風を感じながら眺めを楽しむ場として利用されています。このスタイルはイタリア建築の象徴であり、特に17世紀の建築物において非常に人気がありました。ローマ市内はその好例であり、ロッジアを持つ建物が数多く存在しています。

例えば、ローマにあるヴィラ・ファルネジーナは、内部に描かれたフレスコ画の劣化を防ぐために、柱の間にガラスを設置していることで知られています。この工夫により、芸術作品を保護しつつ、ロッジアの役割を果たしています。

また、ロシアでは、アパートの突出していないバルコニーを「ロッジア」と呼ぶことがあります。ロッジアの概念は、地域によってさまざまな形で受け入れられ、利用されているのです。

結論

ロッジアは、単なる建築的な要素にとどまらず、リラクゼーションや社交の場としての重要な役割を持つ建築スタイルです。過去から現在に至るまで、そのデザインや使用方法は多様であり、芸術的な価値と実用性を兼ね備えた構造物として、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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