ロナルド・マレー

ロナルド・マレー：電光石火のガード、その軌跡

ロナルド・マレー（Ronald Murray、1979年7月29日生まれ）は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身の元プロバスケットボール選手です。身長191cm、体重89kgで、主にガードとして活躍しました。ショー大学出身で、背番号6、そして"Flip"という愛称で知られています。この愛称は、少年時代に体操で宙返りをよくしていたことに由来するそうです。

大学時代：ショー大学での輝き

ショー大学で2年間プレーしたマレーは、平均23得点、6.0リバウンド、5.6アシストという素晴らしい成績を残しました。CIAA（Central Intercollegiate Athletic Association）屈指の名選手として名を馳せましたが、大学がディビジョンIIに所属していたため、NBAスカウトの注目を集めるには至りませんでした。

NBAでの挑戦

2002年、マレーはNBAドラフトにアーリーエントリーし、2巡目42位でミルウォーキー・バックスから指名を受け、NBA入りを果たします。しかし、バックスでは12試合の出場で平均1.9得点と、なかなか出場機会を得られず、シーズン途中にシアトル・スーパーソニックスへ移籍。しかし、ソニックスでもわずか2試合の出場に終わり、NBAでのキャリアは早くも岐路に立たされます。

シアトル・スーパーソニックスでの飛躍

2003-04シーズン、マレーに転機が訪れます。チームの中心選手であったシューター、レイ・アレンが開幕から故障で26試合を欠場。手薄になったガード陣の中で、マレーはチャンスを掴み、見事に躍進します。日本で行われた開幕戦（対ロサンゼルス・クリッパーズ）で初の先発出場を果たすと、その後、開幕から11試合中10試合で20得点以上を記録。その得点能力の高さを証明しました。最終的に、このシーズンは全82試合に出場（うち18試合で先発）、平均12.4得点、2.5リバウンド、2.5アシストの成績を残し、チームに大きく貢献しました。

また、このシーズンにはルーキーチャレンジに2年目チーム（ソフォモア）の一員として選出され、25得点、10アシストの活躍を見せ、チームの勝利に貢献しました。（ソフォモアが114-108で勝利。MVPはアマーレ・スタウダマイアー）。

2004-05シーズンは、怪我の影響で49試合の出場に留まりましたが、チームはプレーオフに進出。マレー自身も初のプレーオフ出場を果たしました。

クリーブランド・キャバリアーズ、デトロイト・ピストンズへ

2005-06シーズン途中、マレーは得点力を買われ、クリーブランド・キャバリアーズへ移籍します。ここでも、主力のラリー・ヒューズが故障していたため、スターターに抜擢。移籍後28試合で平均13.5得点、2.4リバウンド、2.8アシストを記録し、ほぼ全てのカテゴリでキャリアハイの数字を挙げ、キャブスのプレーオフ進出に大きく貢献しました。プレーオフでもスターターとして起用されましたが、チームはカンファレンスセミファイナルでデトロイト・ピストンズに敗れました。

2006-07シーズン前には、そのピストンズへ移籍。チャンシー・ビラップス、リチャード・ハミルトンの控えとして、平均6.7得点、2.7アシストを記録しました。ビラップスやハミルトンの欠場時にはスターターとしても起用され（12試合をPGのビラップス、6試合をSGのハミルトンの代役として）、チームを支えました。プレーオフではカンファレンスファイナルで古巣のキャブスに敗れています。

その後

2007-08シーズン中にピストンズから解雇された後、インディアナ・ペイサーズと契約。2008-09シーズンはアトランタ・ホークスでプレーし、2009-10シーズン開幕からはシャーロット・ボブキャッツでプレーした後、シーズン途中にシカゴ・ブルズにトレード移籍。その後はDリーグや海外リーグでプレーし、現在は引退しています。

プレースタイル

マレーは、ドライブインを多用するプレースタイルが特徴です。アウトサイドシュートの成功率は特筆するほどではありませんが、勝負所での重要なショットを決める勝負強さも持ち合わせていました。キャリアハイは31得点で、2003-04シーズン（ソニックス）と2009-10シーズン（ボブキャッツ）に一度ずつ記録しています。

ロナルド・マレーは、そのアグレッシブなプレースタイルと得点能力で、多くのファンを魅了した選手でした。

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