ロバート・トゥルヒーヨ

ロバート・トゥルヒーヨ：メタリカを支える技巧派ベーシスト

ロバート・トゥルヒーヨ（Robert Trujillo）は、1964年10月23日生まれのメキシコ系アメリカ人ベーシストです。ヘヴィメタルバンド、メタリカ（Metallica）のメンバーとして世界的に知られています。

生い立ちと音楽への目覚め

サンタモニカで生まれ育ったトゥルヒーヨは、地元の高校教師である父親と、モータウンを愛する母親のもとで育ちました。幼少期からファンクを中心とした音楽に親しみ、その音楽的素養を育んでいきました。

キャリアの幕開け

1980年代後半、トゥルヒーヨはSuicidal Tendenciesに加入し、そのキャリアを本格的にスタートさせます。1991年には、Suicidal Tendenciesのマイク・ミューアと共に、Infectious Groovesというサイドプロジェクトも始動させました。

ブラック・レーベル・ソサイアティやオジー・オズボーンなどのバンドでの活動を経て、2003年にメタリカに加入。メタリカに加入してからは、その独特なプレイスタイルと音楽性でバンドに新たな風を吹き込み、世界中のファンを魅了し続けています。

プレイスタイル

トゥルヒーヨのプレイスタイルは、アグレッシブかつ技巧的です。低い体勢で5弦ベースを指弾きし、ツーフィンガー奏法を駆使して高速な楽曲にも対応します。ライブでは、曲調や自身の指のコンディションに合わせて、ツーフィンガー、フリーフィンガー、ワンフィンガーを臨機応変に使い分けています。

ジャコ・パストリアスを敬愛しており、その影響はステージでの動きやベースラインにも垣間見えます。かつてジャコが愛用していた「Bass of Doom」と呼ばれるフェンダー・ジャズベースを、法廷闘争の末に入手し、遺族に返還しようとしたエピソードは、彼の音楽への深い愛情と人間性を物語っています。

Infectious Grooves時代にはスラップ奏法を多用していましたが、メタリカ加入後はあまり披露しなくなりました。メインで使用するベースはワーウィックのカスタムモデルで、ジャズベースタイプのEMG製アクティブピックアップを搭載しています。また、フェンダーのプレシジョンベースやジャズベース、ゾン、フェルナンデス、トバイアスのベースも使用しています。

ディストーションを強くかけた太いサウンド、ワウペダルを多用したプレイも彼の特徴です。コーラスワークでは、安定感のある中低音を聴かせます。ライブでの「Seek & Destroy」演奏中にスピンを披露するのは、お決まりのパフォーマンスとなっています。

人となり

腰まで伸ばした黒髪、タンクトップにハーフパンツというラフなスタイルは、他のメタリカメンバーとは一線を画します。タンクトップには「METALLICA SAN FRANCISCO」と書かれていることが多いようです。趣味はスケートボードとサーフィンという、アクティブな一面も持ち合わせています。

ディスコグラフィー

トゥルヒーヨは、メタリカ以外にも数多くのバンドやプロジェクトで活動しています。以下は、彼の参加作品の一部です。

ブラック・レーベル・ソサイアティ
ジェリー・カントレル
インフェクシャス・グルーヴス
スイサイダル・テンデンシーズ
グレン・ティプトン
マス・メンタル
オジー・オズボーン
メタリカ

ロバート・トゥルヒーヨは、卓越した演奏技術と音楽への情熱、そして温かい人柄で、多くのファンから愛されています。メタリカの一員として、これからも世界中の音楽ファンを魅了し続けることでしょう。

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