ロバート・バロー

ロバート・ジョセフ・バローの経歴と業績

ロバート・ジョセフ・バロー（Robert Joseph Barro）は、1944年9月28日にニューヨークで生まれたアメリカの著名なマクロ経済学者です。彼は現在、ハーバード大学で教鞭をとっており、景気循環論、経済成長論、新古典派経済学、公共政策など多岐にわたる分野での貢献が評価されています。

学歴と初期のキャリア

バローは1965年にカリフォルニア工科大学を物理学の学士号を取得して卒業しました。その後、ブラウン大学で助教授としてのキャリアをスタートし、1970年にはハーバード大学で経済学の博士号を取得しました。彼の博士論文は「インフレーション、支払期間、貨幣需要」と題され、以後の研究に大きな影響を与えるものでした。

彼はブラウン大学やシカゴ大学、ロチェスター大学で教授を務めた後、1987年にはハーバード大学に戻り、そこで教職生活を進めています。彼のキャリアの中で、アメリカ経済学会や計量経済学会のフェローに選ばれ、多くの受賞歴を持つ著名な学者となりました。

学術的な貢献

バローの業績は多岐にわたりますが、特に1974年の論文が注目されています。この論文では、政府の借入が将来的な増税を予見するため、国債の増加が経済に及ぼす影響は限定的であると主張しました。この主張はブラインダー・ソローの結果への応答として位置付けられ、リカードの等価定理を拡張する形で議論されています。

続く1976年の論文では、合理的な個人のモデルを用いながらも、情報の不完全性が経済への影響を示すことに成功しました。特に、金融政策の変更ではなく、不確実性への対応が重要であることを浮き彫りにしました。この新古典派の枠組みの中でも、貨幣がいかに実物経済に寄与するかを考察する観点を示しました。

1983年には、中央銀行における非対称情報の議論を展開し、インフレーションに対抗するためにはインフレターゲットを設定し、失業問題には直接対応しないことの重要性を説きました。このアイデアは、彼の経済理論が実務においても有効であることを示しています。

1990年代には、内生的成長論を提唱し、イノベーションと経済成長の関係性を重視した研究を行いました。さらに、政治経済学における「Public Choice」理論の考察や、宗教が経済に与える影響に関する研究も行っています。

斬新な提案と著作

彼の主張の一つに、容姿の差による所得格差を是正するための「美男美女税」や「不器量補助金」の導入があります。この斬新な提案は、経済的公平性や機会均等を促進するためのものです。

著作においても、バローは多くの重要書籍を残しています。代表的なものには、「マクロ経済学」や「経済成長の決定要因」といった文献があり、これらは経済学の研究や教育において広く引用されています。バローの研究は、今後も経済学の発展に寄与することでしょう。

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