ロバート・ブルワー＝リットン (初代リットン伯爵)

初代リットン伯爵エドワード・ロバート・ブルワー＝リットンについて

エドワード・ロバート・ブルワー＝リットン（1831年11月8日 - 1891年11月24日）は、イギリスの貴族、外交官、政治家として知られています。彼は第2次ベンジャミン・ディズレーリ内閣期にインド総督を務め、その任期中に第二次アフガン戦争を引き起こしました。これは彼の政治的キャリアの中で最も重要な出来事の一つであり、同時に多くの批判を受ける原因ともなりました。

生い立ちと教育

リットンは、初代リットン男爵エドワード・ブルワー＝リットンと彼のアイルランド人の妻ロジーナの間に生まれました。彼の家族は深刻な不和に満ちており、両親は互いに愛人を持っていました。リットンの姉妹は十代で不審な状況で亡くなるなど、家庭環境は非常に複雑でした。リットンはハーロー校からドイツのボン大学に進学し、その後外交官としてのキャリアをスタートさせました。

インド総督としての任期

1876年、リットンはインド総督に就任されることとなります。この任命は彼の父がディズレーリと親しい関係にあったため、ある意味での人脈によるものでした。ところが、彼の総督就任は、彼の精神的安定性が問題視されるなど、異例の人事とも言われました。彼は着任早々、インドで大規模な飢饉が発生し、1876年から1878年にかけてのインド大飢饉を悪化させてしまいます。この飢饉によって、多くのインド人が命を落としたとされています。

リットンは、経済学者マルサスの思想を信奉し、飢饉中に施された食糧救援策が実は状況を悪化させることにつながったという批判を受けることになります。彼は飢餓に苦しむ人々に対して「救援キャンプ」を設置し、食糧を得るための労働を募りましたが、与えられる食糧は極めて不足していました。そのため、死亡率は高く、多大な犠牲を強いる結果となりました。このことから、彼は「インドのネロ」と呼ばれるようになります。

アフガニスタン政策

リットンの統治の中でも特筆すべきは、第二次アフガン戦争の勃発です。彼はロシアの南下政策を懸念し、アフガニスタンに対して強硬な外交姿勢を取りました。そのため、アフガン王シール・アリー・ハーンに対してイギリスの外交官を置くことを求めましたが、拒否されました。しかし、ロシアの動きによって情勢が変化し、最終的にイギリスはアフガニスタンに宣戦布告しました。

イギリスはアフガニスタンを一時的に占領し、新たな王ヤアクーブ・ハーンを擁立しました。この結果、アフガニスタンの外交権を完全に掌握しましたが、アフガン人の反発を招き、英領インド政府は多くの資源をこの反乱の鎮圧に費やすことになります。

後の人生と評価

1880年、リットンは本国に召還され、その後は高い評価を受けて伯爵に叙されました。また、母ロジーナとの関係も複雑で、彼女は夫と彼を全うするように批判し続け、互いに疎遠になります。
1887年から死去までの間、彼はフランスの駐在大使に就任し、フランス人からは好意を持たれていました。彼は自らの人生をインドに捧げたにも関わらず、故国での評価は分かれました。リットンの政治的行動は、インドやアフガニスタンの歴史の中で、円滑とは言えませんでしたが、彼の存在は重要なものとして記憶されることでしょう。

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