ロバート・C・マッケンジー

ロバート・カレン・マッケンジーの生涯：軍人から傭兵へ

ロバート・カレン・マッケンジー（通称ボブ）は、1948年11月30日に生まれ、1995年2月24日に戦没したアメリカの軍人であり、傭兵です。彼はローデシアSAS、南アフリカ国防軍などの様々な軍事組織に所属し、最終的にはシエラレオネのコマンド部隊の司令官を務めました。

若き日の入隊とベトナム戦争

1966年、17歳の時、マッケンジーは故郷サンディエゴでアメリカ陸軍に入隊。空挺部隊の一員としてベトナム戦争に参戦しました。1970年にアメリカ陸軍を退役後、ローデシアへ渡り、軽歩兵連隊に入隊。ローデシアンSAS（第22SAS連隊C中隊）に志願し、数々の越境作戦に参加しました。その勇敢さとリーダーシップは高く評価され、ローデシア銅十字章とローデシア銀十字章を授与されています。

ローデシア崩壊と南アフリカ時代

ローデシアが崩壊しジンバブエが誕生すると、マッケンジーは軍を辞め、1980年に南アフリカ国防軍に少佐として入隊。特殊部隊に所属しました。その後、トランスカイ国防軍の特殊部隊にも在籍し、1985年にアメリカへ帰国しました。

傭兵としての転身

帰国後、マッケンジーは軍事雑誌「ソルジャー・オブ・フォーチュン」の編集長ロバート・K・ブラウンに雇われ、傭兵としての道を歩み始めます。モザンビークではモザンビーク民族抵抗運動 (RENAMO) の訓練を行い、人質となっていた西欧人7名を救出しました。また、エルサルバドル、ブーゲンビル島、東南アジア、ボスニアなど、世界各地の紛争地帯で戦闘に参加しました。

シエラレオネでの戦死

1990年代初頭、シエラレオネでは反政府勢力RUF（統一革命戦線）が勢力を拡大していました。1995年、政府はイギリスのグルカ・セキュリティー・グループ (GSG) 社に軍隊の訓練を依頼。マッケンジーはGSG社の依頼を受け、司令官としてシエラレオネに派遣されました。

政府の焦りを感じたマッケンジーは、情報収集に奔走します。RUFの陣地を攻撃するため、ナイジェリアから借りたジェット機がクラスター爆弾を投下する予定でしたが、連携が上手くいきませんでした。2月24日、マッケンジーはアブ・タラワリとアンディ・マイヤーズ中尉と共にRUFの待ち伏せに遭遇し、銃撃を受けます。タラワリは最初の砲撃で死亡。マッケンジーも足を2発、背中を1発撃たれました。マイヤーズ中尉が介抱しようとしますが、それも叶いませんでした。

RUFはマッケンジーとタラワリの遺体を持ち去り、マイヤーズの消息は不明となりました。後に、マイヤーズも2月24日に死亡したと推定されています。RUFのゲリラ兵は、マッケンジーらの遺体を損壊し、介入者への警告としました。

マッケンジーの死後、GSG社は政府との契約を破棄。エグゼクティブ・アウトカムズ (EO) 社がシエラレオネに部隊を派遣し、RUFを首都圏から一掃しました。

ロバート・カレン・マッケンジーは、その勇敢さと軍事的な才能で、世界各地の紛争に身を投じました。彼の生涯は、傭兵という職業の光と影を映し出すものと言えるでしょう。

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