ロブスタコーヒーノキ

ロブスタコーヒーノキとは

ロブスタコーヒーノキ（学名: Coffea canephora）は、アカネ科に分類される被子植物で、ビクトリア湖から西アフリカ原産のコーヒーノキの一種です。コーヒー豆の品種としてはロブスタ種、あるいはカネフォラ種と呼ばれることもあります。アラビカコーヒーノキ、リベリカコーヒーノキと並び、コーヒーの三大原種の一つに数えられています。

主に栽培されているロブスタコーヒーノキは、ロブスタとウガンダの2種ですが、ブラジルのエスピリトサント州ではコニロンという新種も栽培されています。

特徴

成長すると樹高は2メートルから9メートル程度になり、大きな傘のような形になります。果実は小さく、熟すと赤色になります。

栽培地

ロブスタコーヒーノキは、高温多湿な気候にも順応するため、アラビカコーヒーノキの栽培には不向きなアフリカやアジアで広く栽培されています。海抜500メートル以下の低地でも栽培可能ですが、低温には弱く、主にブラジル、ベトナム、インドネシア、コートジボワールなどで生産されています。アラビカコーヒーノキよりも収穫量が多く、病気や害虫にも強いとされています。

ロブスタ (Robusta) の語源は、英語で「強健な」を意味する "robust" に由来します。

主な生産地は以下の通りです。

ベトナム
インドネシア
ブラジル
コートジボワール
ウガンダ
カメルーン
タイ王国
マダガスカル
コンゴ民主共和国
インド

自生地

ロブスタコーヒーノキの原産地は、アラビカコーヒーノキやリベリカコーヒーノキと同様に、熱帯アフリカ東部、主にエチオピアであると考えられています。コーヒーノキ属に分類されるようになったのは、アラビカコーヒーノキが認知されてから約1世紀後の19世紀になってからです。

利用

ロブスタコーヒーノキの生産が始まったのは20世紀初め頃であり、現在では世界で生産されるコーヒーの約15～20%を占めています。主要生産国の一つであるベトナムには、19世紀の終わりにフランスの入植者が持ち込んだとされていますが、ブラジルやアフリカでも同様に栽培され、これらの地域ではコニロンと呼ばれるようになりました。21世紀初頭のベトナムは、ロブスタ種のコーヒー豆生産量で世界一です。

2000年代最初の約10年間でベトナムのコーヒー生産量は約7倍に増加し、ブラジルに匹敵するロブスタコーヒーの生産国となりました。ただし、ブラジルは依然として世界全体のコーヒー生産量の約3分の1を生産しており、そのうち80%はアラビカコーヒーです。

ロブスタコーヒーは、アラビカコーヒーなどの主要なコーヒー種に比べて管理が容易で生産量も多いため、比較的低コストで生産が可能です。焙煎した豆から抽出したコーヒーは、濃厚で独特の荒々しい香りが特徴です。ピラジン有機化合物が含まれているため、アラビカコーヒーよりも苦みが強く感じられます。

アラビカコーヒーは酸味が強すぎると感じる人もいますが、一般的にはロブスタコーヒーよりもアラビカコーヒーの方が口当たりが良く高級品とされています。ロブスタコーヒーは、低品質なブレンドコーヒーのかさ増しやインスタントコーヒーの原料として使用されることが多いです。

しかし、コーヒーに深いコクとパンチを与えるために、香りの強いロブスタコーヒーが好まれることもあります。品質の良いロブスタコーヒー豆は、イタリアのエスプレッソのクレマ（泡）に苦味を加えるために利用されます。ただし、アラビカ種のようにストレートで飲まれることは稀です。

ロブスタコーヒーは、アラビカコーヒーの約2倍のカフェインを含有しています。

脚注

関連項目

コーヒー豆
コーヒー（飲料）

外部リンク

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