映画『ロレンツォのオイル/命の詩』の概要
『ロレンツォのオイル/命の詩』は、
1992年に公開されたアメリカ映画で、ジョージ・ミラーが監督を務めました。この映画は、難病と闘うひとり息子ロレンツォを救おうとするオドーネ夫妻の実際の物語に基づいています。
映画のあらすじ
物語は、オドーネ夫妻であるアウグストとミケーラが、患っていた難病の治療法を探す姿から始まります。彼らの息子ロレンツォが副腎白質ジストロフィーという病気にかかり、適切な治療法を持つ医師が存在しないことを知った際、彼らは医学の専門知識がなくても希望を失わず、自ら解決策を見つけるために行動する決意を固めます。
夫妻は、医療の専門家や科学者、支援団体の存在を頼りにしつつも、しまいにはそれらの診断や信念と対抗しながら、自ら医学図書館に通い詰め、動物実験の研究や国際シンポジウムを組織するなど、手を尽くします。しかし、こうした努力にもかかわらず、ロレンツォの病状は日々悪化していき、夫妻は次第に孤立感を深めていきます。
ある日、夫妻は特定のオイル、実際にはエルカ酸とオレイン酸のトリグリセリドを混合したものに注目し、これが治療に役立つのではないかと考えます。夫妻は、100社以上の企業に問い合わせを行い、最終的に適切な技術を持つ英国の老化学者を見つけ出したのです。
キャストについて
映画には、ニューヨークの著名な俳優たちが多く出演しています。アウグスト・オドーネ役には
ニック・ノルティ、ミケーラ・オドーネ役には
スーザン・サランドンが演じ、彼らの息子ロレンツォ役をザック・オマリー・グリーンバーグが務めました。その他、
ピーター・ユスティノフや
ローラ・リニーなど、多彩なキャストが揃っています。
実話との比較
映画のストーリーは、オドーネ夫妻の実際の体験に基づいています。夫婦は、専門家とのディスカッションを行ったり、患者のためのカンファレンスを開いたりする描写が全て実際の出来事に基づいています。映画のエンディングでは、「ロレンツォのオイル」に助けられた子どもたちの実際の笑顔が映し出され、数多くの親たちに希望を与えました。
ロレンツォのオイルの医学的効果
ロレンツォが病気にかかった1982年当時、副腎白質ジストロフィーに対する治療法は存在しませんでした。そのため、オドーネ夫妻が開発した「ロレンツォのオイル」は、脱ミエリン化をもたらす極長鎖脂肪酸の値を下げる栄養療法として注目されました。しかし、その効果には賛否があり、多くの患者の親がこのオイルを希望と思い求めましたが、実際に症状が改善した例は少なかったとされます。
この映画を通じて、多くの人々に感動を与えただけでなく、医療の現実や闘いの厳しさについても考えさせられる作品となっています。最後に、ロレンツォは
肺炎により早逝しましたが、彼の物語は多くの人々に記憶され、支援活動の意義を改めて考えさせるものでありました。