ロレーナ・オチョア

ロレーナ・オチョア・レジェス（Lorena Ochoa Reyes）は、1981年11月15日にメキシコのグアダラハラで生まれた女子プロゴルファーです。メキシコ出身者として初めて世界のトップレベルに到達した選手として知られています。

幼い頃からゴルフに親しみ、5歳でクラブを握りました。アマチュア時代には数々のタイトルを獲得し、アリゾナ大学在学中にはNCAA（全米大学体育協会）主催大会で2001年から2002年にかけて前人未到の8連勝という記録を樹立しました。その活躍が認められ、2003年には最優秀アマチュア選手に贈られるナンシー・ロペス賞を受賞しました。同年、プロ転向を果たします。

プロ入り後の2004年、フランクリン・アメリカン・モーゲージ選手権でLPGAツアー初優勝を遂げ、その3ヶ月後にはワコビアLPGAクラシックも制して年間2勝をマークしました。翌2005年にはウェグマンズLPGAロチェスターで勝利を挙げましたが、予選落ちも経験するなど、まだ安定感には欠ける部分も見られました。

2006年、女子ゴルフに世界ランキングが正式導入されると、オチョアは7位からのスタートとなりました。同年最初のメジャー、クラフト・ナビスコ選手権では、初日に10アンダー「62」のロケットスタートを切ったものの、最終日はカリー・ウェブとのプレーオフに敗れ、惜しくもメジャータイトルを逃します。しかし、その後LPGA武富士クラシックやサイベース・クラシックなど次々とタイトルを積み重ね、この年は年間6勝を挙げる圧倒的な強さを見せました。出場25大会中20大会でトップ10入りを果たすなど、その安定感は群を抜いており、獲得賞金259万2,872ドルで自身初となるLPGAツアー賞金女王に輝きました。また、女子ゴルフメジャー最終戦である全英女子オープンの直前には、世界ランキングの算出方法に変更が加えられ、全英で4位に入ったオチョアは、この変更によってミシェル・ウィーを抜いて世界ランキング2位に浮上しました。

そして迎えた2007年、オチョアはさらなる飛躍を遂げます。4月23日発表の女子ゴルフ世界ランキングで、長年トップに君臨していたアニカ・ソレンスタムを抜き、遂に自身初のナンバーワンに躍り出ました。同年8月、女子ゴルフの聖地セント・アンドルーズのオールド・コースで初めて開催された全英女子オープンでは、初日から首位を譲らず、通算5アンダーパーで悲願のメジャー初優勝を飾りました。この後も勢いは衰えず、この年も年間8勝を挙げるなど、世界ランキング1位の実力を見せつけました。

2008年もメジャーの一つであるクラフト・ナビスコ選手権を含む年間7勝、2009年も年間3勝を挙げるなど、世界のトップ選手として君臨し続けました。私生活では、2009年12月にアエロメヒコ航空の幹部役員と結婚しました。

絶頂期にあった2010年4月19日、オチョアは突如として現役引退を表明し、ゴルフ界に大きな衝撃を与えました。4月23日に行われた引退会見では、「モチベーションの低下を感じ、新しい生活を始めたいと思った」ことを理由に挙げ、5月のトレスマリアス選手権をもって競技の第一線から退きました。ただし、自身がホステスを務めるロレーナ・オチョア招待など、一部の大会には今後も出場する意向を示しました。

引退当時、オチョアはLPGAゴルフ殿堂入りの条件である「メジャー1勝」や「ポイント獲得」をクリアしていましたが、当時の規定では「ツアー参加10年」も必須条件であったため、現役引退により殿堂入りの可能性は一旦途絶えました。しかし、2015年に殿堂入りの資格規定が改訂されたことで再びその道が開け、最終的に2017年にその輝かしい功績が認められ、LPGAゴルフ殿堂入りを果たしました。短いキャリアながらも、彼女が女子ゴルフ界、特にメキシコゴルフ界に残した功績は計り知れません。

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