ロワール 130

ロワール 130 (Loire 130)

ロワール 130は、フランスのロワール社によって開発された単発の肩持翼型艦載飛行艇です。この機体は、1933年にフランス海軍から求められたカタパルト射出が可能な艦載水上偵察機のプロトタイプとしての地位を持っています。

開発の経緯

フランス海軍は、艦載用の3人乗り水上偵察機に関する試作要求を出しました。これに対し、ロワール社はその応用にあたる本機の開発を開始しました。初飛行が行われたのは1934年11月で、当初のプランにはカタパルト発射の技術が求められていました。しかし、生産が開始されるまでには海軍による仕様の調整が必要で、実際の生産は1936年8月にようやく始まることとなりました。

ロワール 130には、艦載用の「M型」と植民地向けに設計された「C型」の2種類が存在し、これらはフランスのサン・ナゼール工場で生産されました。主に戦艦や巡洋艦、水上機母艦などの艦艇に搭載されるほか、本国の航空基地や植民地の航空隊にも配備されました。

性能と特性

この艦載水偵は、比較的大柄な機体であるものの、翼が折りたたみ可能なため格納においては特に問題はありませんでした。とはいえ、その構造は複雑であったため、実際に運用する部隊からは不評の声も上がりました。それでも、機構自体は非常に堅牢であり、外洋や高温多湿の植民地環境においても良好な耐久性を示しました。

ロワール 130の性能諸元は以下の通りです：

• - 全長: 11.30m
• - 全幅: 16.00m
• - 全高: 3.85m
• - 主翼面積: 40.10m²
• - 自重: 2,050kg
• - 全備重量: 3,500kg
• - 最高速度: 225km/h
• - 乗員数: 3名
• - 発動機: イスパノ・スイザ12Xirs水冷V型12気筒（720hp）
• - 航続距離: 1,100km（14.3時間）
• - 実用上昇限度: 6,000m

武装

• - ダルネ7.5mm機銃 × 2
• - 75kg爆雷または爆弾 × 2

運用の歴史

ロワール 130の運用は長期間にわたり、特に仏領インドシナの部隊が最後の運用者でした。この機体は1949年に廃棄されるまでに125機が生産され、さまざまな用途に役立てられました。特に、実戦においてはその偵察能力が高く評価されていました。

文化的影響

ロワール 130は、人気の艦隊運営シミュレーションゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』にも登場します。ゲームでは、数少ない夜間偵察機としての位置付けを持ち、ファンの間でも注目を集めています。

ロワール 130は、艦載水上機の中でも独自の地位を築いており、その設計と運用の歴史には多くの物語が詰まっています。

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