ロンドン・アイリッシュ

ロンドン・アイリッシュRFC

ロンドン・アイリッシュ・ラグビー・フットボール・クラブ（London Irish RFC）は、イングランドの首都ロンドンに活動拠点を置くプロラグビーユニオンチームです。クラブ名が示す通り、アイルランドの文化的背景を持つチームとして知られています。

クラブは1898年10月1日、アイルランドからの労働者や学生といった「エグザイル（exiles）」と呼ばれる人々によって設立されました。これは、既にイングランドに存在していたロンドン・スコティッシュやロンドン・ウェルシュといった、故郷を離れた人々によるクラブに続くものでした。最初の試合は1898年に行われ、ハーン・ヒル・アスレティック・グラウンドでハ Hammersmith clubを相手に8対3で勝利を収めました。

設立当初はイングランド南東部のサリー州、サンベリー・オン・テムズを本拠地としていましたが、現在もこの地にクラブの管理事務所が置かれており、トップチームの練習場として、またユースチームやシニアアカデミーのホームゲーム開催地としても利用されています。かつてのホームスタジアムはバークシャー州レディングにあるマデイスキー・スタジアムでしたが、2019-20シーズン終了後にロンドンのブレントフォード・コミュニティ・スタジアムへと移転しました。

イングランドラグビーの最高峰リーグであるプレミアシップには、1996-97シーズンの開幕以来、原則として所属しています。ただし、2016-17シーズンと2018-19シーズンにはRFUチャンピオンシップ（2部）でプレーした期間があります。また、かつてはアングロ＝ウェルシュ・カップや、欧州クラブ最高峰のヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ、下位大会のヨーロピアンラグビーチャレンジカップにも参加してきました。2部降格時は、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・カップやRFUチャンピオンシップカップに出場しました。

主要タイトルとしては、2002年に初めてアングロ＝ウェルシュ・カップの前身であるパワーゲン・カップで優勝を果たしました。リーグ戦では、2008-09シーズンにプレミアシップの決勝に進出しましたが、トゥイッケナムで行われた決勝でレスター・タイガースに10対9と僅差で敗れ、惜しくも初優勝を逃しました。欧州大会では、2007-08シーズンのハイネケンカップで準々決勝に進出し、スタッド・トゥールーザンと対戦しましたが、敗退しました。また、ヨーロピアンラグビーチャレンジカップでも2005-06シーズンに準優勝の成績を残しています。

RFUチャンピオンシップでは、2016-17シーズンと2018-19シーズンの2度にわたり優勝し、プレミアシップへの復帰を果たしました。

クラブの公式マスコットは、「ディガー（Digger）」という名前のアイリッシュ・ウルフハウンドをモチーフにしたキャラクターです。

近年、クラブは厳しい財政状況に直面しており、2023年6月には運営資金の不足により資格停止処分を受けました。この影響で、2023-2024シーズンのプレミアシップへの参加は叶いませんでした。

ロンドン・アイリッシュには、国内外のトップレベルで活躍した数多くの著名な選手が所属していました。アルゼンチン代表でキャップ数歴代3位のフアン・マヌエル・レギサモンや、イングランド代表のジョナサン・ジョセフ、アントニー・ワトソン、ジョー・コカナシガ、スコットランド代表のショーン・メイトランド、アラン・デル、オーストラリア代表のニック・フィップス、サイア・ファインガー、フィジー代表のアサエリ・ティコイロトマ、サモア代表のフィロ・パウロ、モトゥ・マトゥウなど、世界中のトップ選手たちがこのクラブでプレー経験を持っています。

主なタイトル

RFUチャンピオンシップ: 優勝 (2016–17, 2018–19)
アングロ＝ウェルシュ・カップ: 優勝 (2001-02)
プレミアシップ: 準優勝 (2008-09)
ヨーロピアンラグビーチャレンジカップ: 準優勝 (2005-06)
サリー・カップ: 優勝 (4回)
プレミアシップ・ラグビー・セブンズ・シリーズ: 優勝 (2012)

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