ロンドン万国博覧会 (1862年)

第2回ロンドン万国博覧会

1862年5月1日から11月1日まで、イギリスのロンドンにおいて行われた第2回ロンドン万国博覧会は、その独特の開催背景や展示内容が注目された。これは、1862年に開催された国際博覧会であり、サウスケンジントンに位置し、現在のロンドン自然史博物館やサイエンス・ミュージアムの近くに設けられた。

組織と開催の背景

この博覧会の実施を後援したのは、王立美術製造商業協会で、36カ国から28,000以上の団体が参加した。前回の成功を受け、さらに拡大した規模での開催が期待されたが、実際の入場者数は610万人にとどまり、財政的には若干の黒字が出たものの、期待には沿わなかった。開会式では、音楽家ウィリアム・スタンデール・ベネットの作曲した音楽が披露され、多彩な文化が交流する場として重要な役割を果たした。

会場の特徴

会場は、21エーカーの広さを持つ建物で、フランシス・フォウク大尉が設計した。建物はレンガと鋳鉄で構成され、特に機能性を意識した設計がなされていた。主な展示スペースである絵画ギャラリーには約6,000点の作品が並び、国内外の芸術作品が紹介された。特に、開放的な採光を意識した構造や、ガラス屋根の中庭なども訪問者に印象を与えた。

開会式と文化交流

開会式には、ヴィクトリア女王こそ不在であったが、各国の高官や日本の文久遣欧使節団を含む多くの貴人が訪れた。日本の使節団は、当時の日本文化を持参し、その一部が展示される機会を得た。開会式においての様子は、多くのメディアにも取り上げられ、特に日本の展示品に対する期待が高まった。

展示品と革新技術

展示されたアイテムは、産業革命の成果が集約されており、進化した工作機械や新たな素材が多く登場した。特に、電信や海底ケーブル、さらには初期のプラスチックも紹介され、多くの来場者にとって新鮮な驚きを提供した。また、ウィリアム・モリスの装飾芸術会社による美しい作品も注目を集めた。

日本の参与と評判

日本は正式参加ではなかったものの、ラザフォード・オールコックが自身のコレクションを持ち寄り、漆器や刀剣、工芸品などが高い評価を受けた。開会式での見学において、日本の使節団は全体的な盛況さに感動を覚えつつも、展示品に対する批評も口にした。

結末と影響

万博閉会後、建物は解体され資材が再利用されたが、その影響は長く残り、後のアレクサンドラ公園やアレクサンドラ宮殿の建設に寄与した。日本側にとっては、この万国博覧会が国際的な視線を向けるきっかけとなり、その後の国際交流の発展に寄与したともいえる。国際博覧会へ参加したことが、日本の文化を国外に広める重要な一歩となったのだった。

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