ローザンヌ会議

ローザンヌ会議とは

ローザンヌ会議は、第一次世界大戦後のドイツ賠償問題に対処するために、1932年にスイスのローザンヌで開催された国際会議です。イギリスとフランスの呼びかけによって実現し、ドイツの賠償金支払いをめぐる状況を打開することを目的としました。

会議の背景

第一次世界大戦後、ヴェルサイユ条約によって巨額の賠償金を課せられたドイツは、その支払いに苦しんでいました。当初、ドイツは賠償金の支払いに苦慮しましたが、1924年のドーズ案によって賠償金の返済方法が緩和され、1929年にはヤング案によって賠償総額も減額されました。しかし、1929年に発生した世界恐慌によってドイツ経済は再び深刻な危機に陥り、賠償金支払いは困難な状況となります。

こうした状況を受け、1931年にはアメリカ大統領フーバーがモラトリアムを提唱し、ドイツの賠償金支払いは一時的に猶予されました。しかし、ドイツ経済の回復は見られず、1932年以降の賠償金支払いを協議するためにローザンヌ会議が開催されることになりました。

会議の内容と結果

ローザンヌ会議は、1932年6月16日から7月9日まで開催されました。ドイツのブリューニング首相は、経済状況の悪化を理由に賠償金支払いの免除を要求しましたが、連合国側はこれを受け入れませんでした。最終的に、ドイツはこれまでに支払った賠償金（総額の約1/8）に加え、さらに30億金マルクを支払うことで合意し、協定が締結されました。しかし、この協定は、アメリカ議会が連合国に対する戦争債務の軽減に同意しなかったため、批准されることはありませんでした。

会議後の影響

ローザンヌ会議で合意された協定は、アメリカの協力が得られなかったことで批准されず、ドイツの賠償問題は未解決のままとなりました。一方、ドイツ国内では、ナチスや共産党がこの合意内容を不十分として批判し、ヴェルサイユ体制の打破を訴えるヒトラーが支持を集め、首相に就任しました。これにより、ドイツは賠償金の支払いを完全に停止し、国際的な緊張が高まることとなりました。

ローザンヌ会議は、ドイツの賠償問題に対する最後の試みでしたが、最終的な解決には至りませんでした。この会議の結果は、その後の国際情勢に大きな影響を与え、第二次世界大戦への道を開く一因となったとも言えます。

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