ロータス・エラン

ロータス・エランの歴史

ロータス・エラン（Elan）は、イギリスの著名なスポーツカーメーカーであるロータス・カーズが製造した乗用車で、その生産が1962年から1975年、さらに1990年から1995年まで行われました。このモデルは、軽量で高性能なスポーツカーとして多くのファンに支持されました。

初代エラン（1962年 - 1975年）

初代ロータス・エランは、同社の創業者コーリン・チャップマンが北米市場をターゲットとし、豪華で人気のあるオープンカーを開発しようとした結果生まれました。その開発コードネームはタイプ26で、1962年のロンドンショーで初めて公開されました。エンジンには、自社開発の「ロータス・ツインカム」を搭載し、これはフォード・コーティナのエンジンをベースにしています。

シリーズ1

シリーズ1はオープンボディのロードスターだけが存在し、1963年にはエンジンが強化され、より高い出力を誇るモデルへと進化しました。この価格は非常にリーズナブルで、性能や操縦性に優れていたため、人気を博しました。

シリーズ2と3

1964年に進化を遂げたシリーズ2は、主に内装が改良され、助手席側にもデザインが再考されました。1966年にはシリーズ3が登場し、従来のオープンタイプに加えてファミリー向けの「エラン+2」が追加され、さらにその魅力を増しました。

シリーズ4とスプリント

1968年、広いタイヤや改良された尾灯をもつシリーズ4と、最終モデルである「エランスプリント」が登場しました。このモデルは強力なエンジンを搭載し、性能面でも一層の進化を見せました。エランシリーズは合計で約18,000台が生産され、ロータスの名声を高める重要な役割を果たしました。

日本での評価

エランは日本でも高く評価され、当時のレーシングドライバーたちによって多くのレースで活躍しました。また、その独特のデザインは後の名車、ユーノス・ロードスターにも影響を与えたとされています。

2代目エラン（1990年 - 1995年）

2代目エランは1976年からの構想を基に開発が進められました。トヨタとの提携もあったため、エンジンにはいすゞの4XE1が採用されました。しかし、この新モデルは高額であったため、初代の人気を追随することは難しく、販売成績は振るいませんでした。

高い信頼性と難解なハンドリング

この2代目モデルは、GM基準に適合する強度を備え、良好なハンドリング性能を兼ね備えていましたが、価格設定の高止まりが影響し、結果的に市場での成功には至りませんでした。しかし、一時は販売が行われ、その後は韓国の起亜自動車で名を変えた「キア・ビガート」としても生産されました。

コンセプトカーとしてのエラン

2010年には、エランの新たな形状を持つコンセプトカーが発表されましたが、その後販売計画は中止となりました。

総括

ロータス・エランは、その軽量さや俊敏なハンドリングにより、スポーツカーの象徴となりました。初代が持つデザイン哲学と性能は、スポーツカーの未来にも影響を与え続けており、今なお多くの人々に愛されています。

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