ロータス・マーク6

ロータス・マーク6

マーク6（Mark 6）は、イギリスの自動車メーカー、ロータス・カーズが初めて売り出した市販車です。設計者コーリン・チャップマンにとって、これは彼が手がけた6台目の自動車であり、本来なら750フォーミュラ車として計画されていたマーク5は実際には製造されなかったため、マーク6が実質的には5番目のモデルとなります。マーク6はそのコンセプトから量産が視野に入れられており、特にフォードエンジンの搭載を夢見たチャップマンは、フォード社との交渉を試みましたが、初めは思うような成果を上げることができませんでした。そのため、彼は自らフォードのディーラーを巡りながら部品を集め、エンジンを組み立てることとなりました。

試作車とエンジン

最初の試作車のエンジンには1,508ccのOHVエンジンが搭載されていましたが、1,500ccクラスのレース出場を目的にピストンのストロークが短縮され、最終的に適応された形となりました。また、トランスミッションにはフォード製の3速マニュアルトランスミッションが使用されており、サスペンションは前がスイングアクスル型の独立懸架、後ろがリジッド・アクスルにコイルスプリングを組み合わせた形になっていました。これにより車両の重量は430kgと軽量で、高い走行性能を発揮しました。

戦績とレース参加

プロトタイプの完成後、マーク6は1952年7月にシルバーストンサーキットで開催されたMGカークラブの競技に参戦し、瞬く間に2位に入賞しました。この成功により、以降も数々のレースでマーク6は活躍を続けました。しかし、運転中に事故に巻き込まれるという不運も重なり、これが原因でアレン兄弟がロータスから離れることになります。

量産体制

コーリン・チャップマンは、彼の婚約者ヘイゼルの協力を得て、ロータスを正式に株式会社化し、マーク6の量産に取り組みました。初号車は新たにロータスに加わったマイク・コスティンの手で組み立てられ、1953年にナンバー1161Hを取得しました。マーク6は全長3,072mm、幅1,308mm、高さ768mmのコンパクトなサイズで、軽さを生かして多くのレースでの成功を収めました。

量産に向けて調達物をどのように確保するかが鍵となり、チャップマンは730モーター・クラブの需要に応え、各種レーシングカーや改造部品の製造販売を行いました。加えて、購入者が自分で組み立てるキットとして販売することにし、これが当時の高税率の影響を避けつつ、低価格での提供を実現しました。このアプローチには、顧客が組み立てる楽しさを味わえるという利点もありました。

エンジンの選択肢

量産された初号車には、フォード製の1,099ccサイドバルブエンジンが搭載されましたが、購入者が選べるエンジンは多様でした。一般的には、フォード製100E型エンジン、またMG製のMG-T用直列4気筒や、コヴェントリー・クライマックス製FWA型など、幅広い選択肢が提供されたことにより、オーナーはさまざまなレースカテゴリーに挑戦できるスタイルを実現しました。

評価と人気

レースでの好成績が続くことで、ロータスへのオーダーが増加し、生産はフル稼働となりました。この製品がさらなる人気を呼ぶという循環が続き、最終的には1955年末までに100台以上が生産されています。その後、後継モデルであるロータス・セブンが登場し、マーク6の生産は終了を迎えました。

このように、ロータス・マーク6は、軽量でカスタマイズ性の高いスポーツカーとして、レース界においても数々の功績を残しました。

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