ローヒラー族

ローヒラー族の概要

ローヒラー族（ローヒラーぞく）は、ウルドゥー語を母国語とするアフガン系民族です。彼らはかつて北インド北西部のローヒルカンドと呼ばれる地域に住んでいました。この民族の歴史は17世紀から始まり、現在彼らはインド、パキスタン、アフガニスタンなどの国々に分布しています。

歴史的な移動

ローヒラー族は、17世紀から18世紀にかけて、アフガニスタンから北インドへと移住した一群の人々です。この際、彼らはユースフザイ族の一部であったと言われています。彼らの定住した地は、ローヒルカンドとして知られ、次第に彼らの文化や政治的影響が色濃く反映されるようになりました。

1705年には、ダーウード・ハーン・ローヒラーがインドへ定住し、ローヒラー族の指導者としての地位を確立しました。彼はバダーユーンを拠点に、他のアフガン系民族と結集し、ローヒラー族の地位を高めて行きました。

権力の拡大と衰退

ダーウード・ハーンの死後、彼の養子アリー・ムハンマド・ハーンが後を継ぎ、彼は強大な力を持つようになりました。アリー・ムハンマドは、1739年にイランのナーディル・シャーによってデリーが占拠された際、自軍へと北インドに居住するアフガン人を引き入れました。これにより、ローヒラー族の人口は急増し、彼らの影響力も拡大しました。

しかし、ムガル帝国はアリー・ムハンマドを捕らえ、最終的には彼をシルヒンドの知事として認めざるを得ませんでした。この時期には、バレイリーも新たな拠点として設定されました。

18世紀後半、ローヒルカンド北部の族長ナジーブ・ハーンが権力を握ります。彼はアフガニスタンのドゥッラーニー朝との同盟を結び、1761年には第三次パーニーパトの戦いでマラーター軍を撃退しました。これにより、ローヒラー族の影響力は再び大きくなりましたが、1774年にイギリスが進攻した際にローヒラー戦争が勃発し、敗北を喫しました。これによりローヒルカンドは最終的にアワドに併合されました。

イギリスの影響と独立

アリー・ムハンマド・ハーンの子、ファイズッラー・ハーンは、イギリスとの軍事保護条約を締結し、彼らの支配地域が藩王国として存続しました。一方、ナジーバーバードにおけるローヒラー勢力は独立を保ち続け、1788年には一時的にデリーを占領しましたが、最終的にはマラーターの攻撃により滅ぼされました。

その後もラームプル藩王国はイギリスの保護下に存続し続け、1947年のインド・パキスタン分割時までその支配は続きました。このように、ローヒラー族は長い歴史の中で、様々な文化や政治的影響を受けながら生き残ってきた民族なのです。

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