ローマ市電9200形電車

ローマ市電9200形電車：イタリアの首都を彩る低床電車

ローマ市電9200形電車は、イタリアの首都ローマを走る路面[[電車]]です。この車両は、その先進的なデザインと機能性から、「シティウェイII」や「ローマII」とも呼ばれています。特筆すべきは、車内全体の床面高さを350mmに抑えた100%低床構造を採用している点です。

導入の背景

1998年、ローマ市電を運営するATACは、将来の輸送力増強と路線網の拡大を見据え、フィアット（後のアルストム）との間で新型車両の導入契約を結びました。これにより、9200形の製造が開始されました。当初の契約では18両の発注でしたが、その後オプションとして32両が追加され、さらにフィアット・フェロヴィアリアから2両の試作車が納入されています。

車両の特徴

9200形は、両運転台式の連接車で、7車体連接車（全長33,000mm）と9車体連接車（全長41,450mm）の2種類が存在します。車体はモジュール構造で、アルミニウム合金製です。流線形のデザインは、著名なインダストリアルデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが手掛けました。中間車体に設置された独立車輪式の動力台車には、外側・垂直位置に三相誘導電動機が左右1基づつ搭載されています。

車内は空調が完備されており、安全対策として監視カメラが車内外に設置されています。低床構造により、乗降が容易で、バリアフリーにも配慮した設計となっています。

導入と運用

最初の車両は1999年にローマ市電に納入され、試運転を経て2000年3月から営業運転を開始しました。2001年までに合計52両（9201 - 9252）が導入されました。このうち、試作車として納入された2両（9217、9218）は、当初9車体連接車でしたが、試運転の結果が芳しくなかったため、営業運転に就くことなく、予備部品確保用として留置されていました。その後、2013年から2014年にかけて7車体連接車に改造されました。

車輪問題と訴訟

2006年には、車輪の構造上の問題が発覚し、ATACとアルストムとの間で訴訟に発展しました。2007年5月、ATACに有利な判決が下り、アルストムは9200形を含めた同様の車輪問題が生じた車両の改修工事を無償で行うことになりました。

現在の状況

これらの改修工事を経て、2023年現在、52両全車が在籍しています。ただし、一部の車両は運用から離脱し、車庫に留置されている状態です。

ローマ市電9200形は、その革新的な設計と、ローマの街に調和する美しいデザインで、現在もローマ市民の足として活躍しています。また、100%低床構造は、高齢者や障害者を含む全ての人々にとって、より快適で利用しやすい公共交通機関を実現する上で重要な役割を果たしています。

今後のローマ市電の発展と共に、9200形がどのような活躍を見せるのか、期待が高まります。

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