ローマ＝フロジノーネ＝カッシーノ＝ナポリ線

ローマ＝フロジノーネ＝カッシーノ＝ナポリ線は、イタリアのラツィオ州の州都ローマとカンパニア州の州都ナポリを結ぶ、歴史ある鉄道幹線です。この路線は、両州の主要都市を結ぶ最初の路線として建設され、地域交通の重要な役割を担ってきました。

この路線は、ラツィオ州内ではローマからフロジノーネ、カッシーノを経由し、カンパニア州内ではカゼルタを経てナポリへと至ります。かつては長距離輸送にも利用されていましたが、現在では主に州内交通、アドリア海沿岸への連絡、そして夜行列車に使われることが多くなっています。高速鉄道TAVのローマ＝ナポリ線がほぼ並行して敷設されたことにより、長距離輸送の役割はそちらに移行しました。

沿線と主要駅

ローマ＝フロジノーネ＝カッシーノ＝ナポリ線は、多くの駅と停留所を有しており、地域住民の足として重要な役割を果たしています。主要な駅としては、以下のものがあげられます。

ローマ・テルミニ駅：路線の始点であり、イタリア最大の鉄道駅の一つ。
フロジノーネ駅：ラツィオ州の主要都市フロジノーネの中心駅。
カッシーノ駅：歴史的な修道院があるカッシーノの最寄駅。
カゼルタ駅：カンパニア州の主要都市カゼルタの中心駅。
ナポリ中央駅：路線の終点であり、カンパニア州最大の鉄道駅。

分岐、支線

この路線からは、いくつかの分岐線が延びています。これらの支線は、周辺地域へのアクセスを向上させ、地域の経済活動を支えています。主な分岐線は以下の通りです。

チャンピーノからの分岐: ローマ郊外のチャンピーノから、フラスカーティ、アルバーノ、ヴェッレトリ方面へ向かう支線が分岐しています。これらの路線は、ローマ近郊の都市を結び、地域住民の通勤・通学に利用されています。
ロッカセッカからの分岐: ロッカセッカからは、アヴェッツァーノへ向かう路線（アヴェッツァーノ＝ソーラ＝ロッカセッカ線）が分岐しています。この路線は、アブルッツォ州内陸部の都市へのアクセスを提供しています。
ロッカ・デヴァンドロからの分岐: ロッカ・デヴァンドロからは、イゼルニア、カンポバッソへ向かう路線（ロッカ・デヴァンドロ＝ヴェナフロ線）が分岐しています。この路線は、モリーゼ州の主要都市へのアクセスを提供しています。
ヴァイラーノからの分岐: ヴァイラーノからは、イゼルニア、カンポバッソへ向かう路線（カンポバッソ＝カルピノーネ＝イゼルニア＝ヴェナフロ＝ヴァイラーノ線）が分岐しています。この路線は、モリーゼ州の主要都市へのアクセスを提供しています。
サンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレからの分岐: サンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレからは、ピエディモンテ・マテーゼ方面へ向かう支線があります。この路線は、カゼルタ県の内陸部へのアクセスを提供しています。
カゼルタからの分岐: カゼルタからは、アヴェルサおよびベネヴェントへ向かう支線が分岐しています。これらの路線は、カンパニア州内の都市間を結び、地域交通を支えています。
カンチェッロからの分岐: カンチェッロからは、ベネヴェント、サレルノおよびトッレ・アンヌンツィアータへ向かう支線が分岐しています。これらの路線は、カンパニア州内の広範囲な地域を結び、観光客やビジネス客の移動を支えています。

ローマ＝フロジノーネ＝カッシーノ＝ナポリ線は、その長い歴史の中で、地域社会の発展に大きく貢献してきました。現在では、高速鉄道の開通により長距離輸送の役割は薄れましたが、それでも地域交通の重要な動脈として、その役割を果たし続けています。

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