ロールス・ロイス・ファントムVIII

ロールス・ロイス ファントムVIII：究極のラグジュアリーセダン

2017年7月、ロールス・ロイスは新型ファントムVIIIを発表しました。その存在感は、まさに自動車の頂点に君臨する風格を漂わせます。

エンジンと走行性能

パワートレインには、BMW製の6.75リッターV12ツインターボエンジンを搭載。最高出力571psを発生し、滑らかな加速と圧倒的なトルクを提供します。ZF製の8速ATとの組み合わせにより、シームレスな動力伝達を実現しています。さらに、四輪操舵システムの採用により、取り回しやすさと操縦安定性の両立を図っています。

究極の乗り心地

ファントムVIIIの真骨頂は、その比類なき乗り心地にあります。「魔法の絨毯」と形容されるその走りは、最新のセルフレベリング・エアサスペンションと電子制御式ショックアブソーバーによって実現されています。システムは、車体の加速度、ホイールの動き、ステアリング操作、そしてカメラからの情報を用いて、毎秒数百万回もの計算を行い、路面状況に最適なダンパー設定を瞬時に調整します。

圧倒的な静粛性

静粛性についても、細部にわたるこだわりが見て取れます。130kgを超える遮音材に加え、鋳造アルミ製ジョイントや高性能吸音素材、2層構造の合金製フロアとバルクヘッド、ヘビーフォームやフェルト層の採用など、徹底したノイズ対策が施されています。さらに、タイヤには騒音を低減する「サイレント・シールタイヤ」を採用することで、100km/h走行時の騒音レベルを前モデル比で約10％削減することに成功しています。

日本市場と販売価格

2018年1月、ファントムVIIIは日本市場に導入されました。東京国立博物館と法隆寺宝物館で発表会が行われたことは、この車の格調高さを象徴しています。価格は、「ファントム」が5460万円、「ファントム エクステンデッド ホイールベース」が6540万円と、まさにプレミアムな価格設定となっています。

エルメスとのコラボレーション：ファントム・オリベ

ロールス・ロイスは、ラグジュアリーブランドのエルメスと共同でワンオフモデル「ファントム・オリベ」を製作しました。実業家の前澤友作氏によってオーダーされたこのモデルは、日本古来の織部焼をイメージした、独特の暗緑色とクリーム色のツートンカラーが特徴です。ボディカラーは、上部が「MZオリベ・グリーン」、下部がクリーム・ホワイトで彩られています。

インテリアは、エルメスの「エネア・グリーン・レザー」をステアリングホイール、ギヤセレクターなど、至るところに使用。さらに、ロールス・ロイス初となる試みとして、ドアアームレスト、センターコンソール、ヘッドライナーなどにエルメスの「Toile H（トワル・アッシュ）」キャンバス地を採用しています。細部に至るまで、両ブランドの卓越したクラフトマンシップが融合した、まさに芸術作品と言える一台です。

その他のワンオフモデル

ファントム・オリベ以外にも、顧客の要望に応じた数々のワンオフモデルが製作されています。ドバイの顧客向けに製作された「ファントム・カーボンヴェイル」は、アーティストのアラスター・ギブソンが製作したカーボンヴェイル・ギャラリーが組み込まれており、シンガポールの顧客向けに製作された「ファントム・オーキッド」は、アーティストのヘレン・エイミー・マーレイがデザインしたインテリアが特徴です。

まとめ

ロールス・ロイス ファントムVIIIは、比類なき静粛性、乗り心地、そしてラグジュアリーな空間を提供する、まさに究極の高級車です。その卓越した技術と、顧客の個性を反映したワンオフモデルの存在は、ロールス・ロイスの揺るぎない地位を改めて示しています。 今後も、その進化と魅力に目が離せません。

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