ロールバッハ Ro II

ロールバッハ Ro II (Rohrbach Ro II)

ロールバッハ Ro IIは、1923年にロールバッハ金属飛行機によって開発された、4人が乗れる偵察および爆撃用の飛行艇です。この航空機は、軽合金を使った先進技術によるおおよそ1920年代の設計理念を体現したものとなっております。

開発の背景と特徴

ロールバッハ金属飛行機は、多くの航空機設計において応力外皮構造を採用しており、軽量化と強度を両立させることに成功しました。Ro IIは、前のモデルであるRo Iからの発展版であり、肩翼形式の双発飛行艇とされています。構造を極力簡単にするために、胴体は矩形の断面を持ち、主翼や尾翼にはテーパーを施さないスタイルが取られました。エンジンは、主翼から支柱で支えられ、シンプルながら機能的な設計がなされています。

当時、ヴェルサイユ条約によりドイツ国内での大型機の製造が制限されていたため、Ro IIの生産はデンマークに設立された「Rohrbach-Metall-Aeroplan Co. A/S」で行われました。1923年11月11日には、パイロットのヴェルナー・ランドマンによって初めて飛行されました。また、1924年10月24日には、国際航空連盟の速度記録に挑戦するために使用され、大日本帝国海軍に売却されることとなります。

日本での導入と運用

日本におけるロールバッハ Ro IIの導入は、1922年にロールバッハ社と三菱商事の間で結ばれた契約から始まります。この契約に基づき、日本海軍向けの金属製飛行艇の製造権が取得され、コペンハーゲンに製造拠点が設立されました。しかし、製作された試作機が日本の海での試験中に破損してしまい、急遽ロールバッハが来日し、再設計を行う必要がありました。

1925年、日本海軍は1機のRo IIを輸入し、さらに7機分の部品を取り寄せました。三菱航空機および広海軍工廠による国産化計画も進行し、特に横須賀海軍工廠では実験的にRo IIを組み立てた結果、R-1号飛行艇として名付けられました。次いで、1927年には三菱がエンジンをイスパノ・スイザ製（450 hp）に変更したR-2号飛行艇を試作し、広廠でも機体の改良が行われてR-3号飛行艇が誕生しましたが、これらはいずれも制式採用には至りませんでした。しかし、これらの開発経験は後の日本製航空機に多大な影響を与えたとされています。

性能および主要諸元

ロールバッハ Ro IIは、乗員4名を搭載し、全長16.5メートル、翼幅27.0メートル、高さ5.0メートル、翼面積73.4平方メートルの寸法を持ちます。空虚重量は3,700kg、最大全備重量は5,700kg、使用されている発動機はロールスロイス イーグル IXの双発エンジンで、出力は360hpに達しました。最大速度は165km/hとされています。

これらの技術的な背景や運用実績は、当時の航空業界における革新を象徴しており、ロールバッハ Ro IIはその後の飛行艇の開発における重要なマイルストーンとなりました。

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