ワイルドベリーズ

ワイルドベリーズ (Wildberries) について

ワイルドベリーズ（Wildberries、ロシア語: Вайлдберриз）は、ロシアを拠点とするオンラインマーケットプレイスです。2004年にタチアナ・バカルチュクによって設立され、ロシア国内だけでなく、周辺諸国やヨーロッパ、アメリカにもサービスを展開しています。衣料品、靴、化粧品、家庭用品、ベビー用品、電子機器、書籍、宝石、食品など、幅広いジャンルの商品を550万点以上取り扱い、4万以上のブランドが出店しています。

歴史

ワイルドベリーズは、タチアナ・バカルチュクが2004年にモスクワのアパートで育児休業中に設立されました。当時、幼い子供を持つ母親たちが、子供連れで買い物に行くことの難しさを感じていたことが、オンラインでの商品販売を始めるきっかけとなりました。夫であるIT技術者のヴラディスラフと協力し、ECサイトを構築。当初は、子供服の販売からスタートしています。

2017年には、ロシア国内で最大手だったECサイト「Ulmart」を追い抜き、ロシア最大のオンライン小売業者へと成長を遂げました。2018年には、本社をモスクワのクリコフスキー・ビジネスセンターに移転。また、ポドリスクに大規模な物流センターを開設しました。2018年の売上高は19億ドルに達し、1日あたり200万人のユニークビジターを集めるほどの人気ぶりでした。

2019年には、売上高が30億ドルに達し、純利益も急増。ロシアのeコマース市場における主導的な役割を確立しました。同年末には、ポーランド、スロバキア、ウクライナ、イスラエルなど、EU圏内でのサービスを開始しました。

2020年には、新型コロナウイルスのパンデミックにより、オンラインショッピングの需要が急増。ワイルドベリーズの売上高も2倍に膨れ上がり、60億ドルに達しました。また、海外市場での売上も3億500万ドルを記録しています。

2021年には、ドイツでのサービスを開始。同年2月には、自社サイトでの決済サービス向上のため、「Standard Credit」社を買収し、後に「ワイルドベリーズ銀行」と名称を変更しました。また、アメリカでのオンラインストアの立ち上げや、分割払いの導入も行っています。しかし、同年7月には、ウクライナ政府がロシア軍の軍服や反ウクライナ思想の書籍の販売を理由に、ワイルドベリーズに対して3年間の制裁を課しました。

2022年2月には、速達サービスを強化するための新しい支援制度を開始。同年の売上高は8,440億ルーブル（約1兆3,472億円）に達し、前年比93％増という驚異的な成長を遂げました。

2024年1月には、サンクトペテルブルクの倉庫で大規模な火災が発生し、約7万平方メートルが焼失する被害が出ています。

特徴

ワイルドベリーズは、以下の点で特徴的なオンラインマーケットプレイスと言えます。

幅広い商品ラインナップ: 衣料品から家電、食品まで、多様なジャンルの商品を取り扱っています。
強力な物流ネットワーク: ロシア国内に大規模な物流センターを持ち、迅速な配送を実現しています。
海外展開: ロシア国外にも積極的にサービスを展開しており、グローバルなマーケットプレイスを目指しています。
決済サービス: 自社銀行を持ち、決済サービスを強化しています。
顧客の利便性: 分割払いやプリペイドカードなど、多様な決済手段を提供しています。

まとめ

ワイルドベリーズは、創業者のタチアナ・バカルチュクが育児中に始めた小さなビジネスから、ロシア最大級のオンラインマーケットプレイスへと成長を遂げました。その急成長の背景には、幅広い商品ラインナップ、強力な物流ネットワーク、積極的な海外展開、そして顧客の利便性を追求する姿勢があります。今後も、eコマース市場におけるリーディングカンパニーとして、さらなる発展が期待されます。

脚注

ワイルドベリーズは、1日平均750,000件の注文処理を行っています。
2021年1月にドイツでのサイト運営を開始しました。
2022年2月の売上高は前年比93％増を記録しました。
2024年1月にサンクトペテルブルクの倉庫で火災が発生しました。

関連項目

Ozon - ロシアの大手電子市場。
ヤンデックス. マーケット - オゾン、アリエキスプレスと共にロシア国内の電子市場4強。
AliExpress - 中国のアリババグループが運営する大手越境ECサイト。
ライブコマース
オルガルヒ

外部リンク

* 公式ウェブサイト（ロシア語）

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