ワイルド・ギースII

映画『ワイルド・ギースII』の詳細

『ワイルド・ギースII』（原題：Wild Geese II）は、1985年に制作されたイギリスのアクション映画で、前作『ワイルド・ギース』の続編にあたります。日本においては劇場公開されなかった作品ですが、そのストーリーやキャストの豪華さで注目を浴びました。映画は1982年のロンドンを舞台に、傭兵のジョン・ハダッドが描かれます。

あらすじ

物語は、アメリカ人の傭兵であるジョン・ハダッドが、危険な任務を引き受けるところから始まります。彼はキャシーと名乗る女性から依頼を受け、ナチス戦犯であるルドルフ・ヘスをシュパンダウ刑務所から救出することを決意します。ヘスは第二次世界大戦の副総統であり、彼の救出は非常に難しい任務となることは明らかでした。

ジョンはベルリンに向かい、そこで謎の人物ストリープリングに遭遇し、拉致の危機に直面しますが、運良く逃れることができます。ジョンは、前作で活躍したアレン・フォークナーの弟、アレックス・フォークナーと合流し、さらにイギリス軍のヘンリー大佐も協力を申し出ます。物語が進むにつれて、キャシーがストリープリングによってさらわれるという新たな危機が発生し、ジョンたちはキャシーとヘスの両方を救出すべく作戦を練ります。

キャスト

この映画には、豪華なキャストが揃っています。ジョン・ハダッド役を演じたスコット・グレンをはじめ、キャシー役のバーバラ・カレラ、アレックス・フォークナー役のエドワード・フォックス、そしてルドルフ・ヘス役をローレンス・オリヴィエが演じます。また、ロバート・マッキャン役にはロバート・ウェッバー、ストリープリング役にはロベルト・フライターク、ヘンリー大佐にはケネス・ヘイが出演しています。ロシアの将軍役にはパトリック・スチュワートがキャスティングされ、他にもストラットフォード・ジョンズやイングリッド・ピットなど、実力派の俳優たちが名を連ねています。

製作背景

この映画の製作は1984年に始まり、続編への出演が発表された時には、リチャード・バートンとスコット・グレンの参加が決まっていました。ロジャー・ムーアもキャスティングの候補に上がりましたが、彼は脚本が気に入らず辞退しました。元々ハダッド役にはルイス・コリンズが予定されていましたが、その後スコット・グレンに変更されました。

映画の撮影が迫る中、バートンは1984年8月にジュネーブで亡くなりました。彼は撮影前に健康診断に合格したばかりで、周囲は彼が元気だと信じていましたが、突然の訃報に製作陣は動揺しました。バートンの役割はエドワード・フォックスが引き継ぐことになり、アレックス・フォークナーとして新たに出演しました。

ローレンス・オリヴィエがヘスを演じた際には、彼の高齢や体調の問題が影響しました。撮影中、オリヴィエは記憶力の問題を抱えており、そのため一つの台詞を撮るのに長時間を要したとされています。共演者のイングリッド・ピットは、撮影では直接の共演はなかったものの、オリヴィエとの食事での印象を語っています。ヘスの息子もオリヴィエの演技には驚き、正確な描写があったと称賛しています。

『ワイルド・ギースII』は、アクションだけでなく、キャストの個性的なパフォーマンスと、歴史的背景に基づく深みのあるストーリーで、多くの観客に影響を与える作品となりました。

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