パトリック・スチュワート

パトリック・スチュワート卿：多才な俳優の輝かしいキャリア

パトリック・スチュワート卿（Sir Patrick Stewart）は、1940年7月13日、イギリスのヨークシャー州に生まれました。陸軍士官の父と、2人の兄を持つ家庭環境で育ちました。彼のキャリアは、イギリスを代表する名門劇団、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでの活躍から始まります。古典劇から現代劇まで、幅広い舞台で主演を務め、確かな演技力と存在感を示しました。

1979年には『アントニーとクレオパトラ』でローレンス・オリビエ賞助演男優賞を受賞するなど、舞台俳優としての高い評価を得ていました。その後も精力的に活動の幅を広げ、映画『ウィンディー』（1984年）などに出演経験を積み重ねていきます。

転機が訪れたのは1987年。テレビドラマ『新スタートレック』で、主人公ジャン＝リュック・ピカード艦長役に抜擢されました。この作品は世界的な大ヒットを記録し、スチュワートは一躍国際的なスターへと駆け上がります。以後、ピカード艦長役は彼の代名詞となり、世界中のファンから愛される存在となりました。

演技の才能は映像作品にとどまりません。1995年には『プロコフィエフ:ピーターと狼』の朗読でグラミー賞（子供向け最優秀朗読作品）を受賞しました。スチュワートの声優としての才能も高く評価された瞬間です。

2000年には、映画『X-メン』シリーズでプロフェッサーXを演じ、再び世界的な人気を獲得しました。同シリーズでも中心人物として活躍し、数々の作品に出演。2017年の『LOGAN/ローガン|LOGAN_ローガン』で同シリーズからの引退を発表するまで、長年にわたって愛され続けるキャラクターを演じ続けました。この長年の出演は、ギネス世界記録に認定される偉業となりました。

役者としての活動以外に、スチュワートは教育分野でも重要な役割を果たしています。2004年からはハダースフィールド大学で学長を務め、その後もオックスフォード大学客員教授、同大学演劇科教授として後進の育成に尽力しました。

2010年にはナイトに叙任され、イギリス社会への貢献が認められました。さらに、2018年には『新スタートレック』シリーズにピカード艦長役で再び出演することを発表、再び世界中のファンを熱狂させました。2022年には『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス|ドクター・ストレンジ_マルチバース・オブ・マッドネス』でプロフェッサーX役を演じ、再びギネス世界記録を更新するなど、精力的な活動を続けています。

プライベートでは、何度かの結婚と離婚を経験しています。1966年にシェイラ・ファルコナーと結婚するも1990年に離婚。その後、2000年にウェンディ・ノイスと再婚するも2003年に離婚。そして2013年にサニー・オゼルと再婚し、現在に至ります。

彼はロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身らしい、上品な話し方を持ちながらも、長年のアメリカでの生活経験から、自然で親しみやすい雰囲気も兼ね備えています。アメリカ版『風の谷のナウシカ』ではユパの声優を務めるなど、声優としての活動も積極的に行っています。

数々の映画、テレビドラマ、舞台、そして声優としての活動、教育者としての顔を持つパトリック・スチュワートは、まさにマルチな才能を持つ稀有な存在です。彼のキャリアは、これからも多くの人の心を魅了し続けるでしょう。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

主な出演作品（抜粋）

映画:『X-MEN』シリーズ、『LOGAN/ローガン|LOGAN_ローガン』、『ウィンディー』など多数
テレビシリーズ:『新スタートレック』、『スタートレック：ピカード』など
舞台:多数のシェイクスピア作品をはじめ、様々な舞台作品に出演
声優:『チキン・リトル』、『ジミー・ニュートロン 僕は天才発明家!』、『風の谷のナウシカ』(アメリカ版)など

日本語吹き替え

『新スタートレック』シリーズでは、麦人が長年ピカード艦長役を担当し、その精巧な吹き替えは高く評価されています。また、『X-MEN』シリーズのプロフェッサーX役では、劇場公開版を中心に大木民夫が担当していましたが、『LOGAN/ローガン|LOGAN_ローガン』では麦人が後任を務めました。他にも多くのベテラン声優が彼の声を担当しています。

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