ワタナベ (漫画)

漫画『ワタナベ』

窪之内英策による漫画作品『ワタナベ』は、1992年に『ビッグコミックスピリッツ』で連載が開始されました。平凡な中流家庭である時野家に、カナーイ星から来た宇宙人ワタナベがホームステイすることになり、彼の視点を通して人間愛や家族愛を描いたファンタジー・ストーリー・ギャグ漫画です。

あらすじ

物語は、地球から2万光年離れたカナーイ星からやってきた宇宙人、ワタナベが、ひょんなことから時野家にホームステイすることから始まります。ワタナベは地球の文化や常識に疎く、その言動は時として周囲を戸惑わせ、また笑いを誘います。物語は、ワタナベと時野家の人々、そして彼らを取り巻く個性的なキャラクターたちとの交流を通して、様々な人間模様や社会風刺をユーモラスに描いています。

主な登場人物

ワタナベ
本名ノウモ・カナイータ・キッテ・ヤラカーシ・ホイ・オートイゴンス。カナーイ星から来た3006歳の宇宙人で、宇宙大学の学生。卒業論文の取材のために地球にやってきました。温厚で正義感の強い性格で、ポテトチップスをこよなく愛しています。地球の環境に適応するために常にボディスーツを着用しており、スーツのコンピューターが異常をきたすと超人的な能力を発揮します。
時野妙子（ときの たえこ）
本作のヒロインで、17歳の高校生。テニス部に所属していますが幽霊部員。現実逃避しがちなメルヘンチックな思考の持ち主で、「白馬の王子様」との出会いを夢見ています。
時野勤（ときの つとむ）
妙子の弟で、小学生。姉とは対照的な現実主義者で、エリートになることを目指しています。勉強熱心で、深夜まで塾に通うほどの努力家。
時野小百合（ときの さゆり）
妙子の母親。大柄で口うるさい性格。ワタナベをこき使い、娘には無関心ですが、息子の教育には熱心です。
時野正造（ときの しょうぞう）
妙子の父親で、中小企業のサラリーマン。妻の尻に敷かれていますが、一家の主としての責任感も持ち合わせています。
宇童（うどう）
妙子の同級生で、番長。妙子に好意を抱いており、ワタナベを敵視しています。
ジョージ
宇童の子分。常に宇童と行動を共にし、ワタナベの正体を暴こうとしますが、いつも失敗します。
華蝶斎 マキ（かちょうさい マキ）
妙子の同級生で、大金持ちの令嬢。テニス部の主将で、インターハイ優勝候補の実力者。
土方陣蔵
新玉高校女子テニス部のコーチ。妙子が憧れる存在。
桜井先生
勤の担任教諭で、勤の憧れの存在。
リカ
「パブ・ウインク」に勤めるホステス。ワタナベとの出会いを通して、自身の生き方を見つめ直すことになります。
一郎
通称「いっちゃん」。元暴走族で、リカを都合よく利用しています。

単行本情報

小学館から全3巻で刊行されました。

1巻：よろしくでござる (1992年8月29日発売、ISBN 4-09-183011-0)
2巻：ヘンでござる (1992年11月30日発売、ISBN 4-09-183012-9)
3巻：素敵でござる (1992年12月19日発売、ISBN 4-09-183013-7)

また、ワイド版も1999年に発売されています。（ISBN 4-09-185806-6）

テレビドラマ版

1993年には、関西テレビ・阪急ドラマシリーズ枠でテレビドラマ化されました。このドラマは、フィルムではなくビデオカメラで撮影され、関西吉本興業のお笑い芸人たちが標準語で出演しました。

キャスト

ワタナベ：森下じんたん
時野妙子：小牧芽美
時野勤：田中純弥
時野小百合：大島蓉子
時野正造：坂田利夫
宇童：宮川大輔
ジョージ：星田英利

スタッフ

原作：窪之内英策
企画：山田剛
プロデューサー：田中猛彦、三浦紘
脚本：池上洋史、山田あかね、他
音楽：見里朝生
監督：黒沢清他

主題歌

ボビー・ソロ「頬にかかる涙」

放送リスト

全12話が放送されました。

1. 宇宙人がホームステイ?
2. 秘密のクマさんパンツ
3. 宇宙人もつらいよ！
4. 愛と挫折の11歳
5. セクシーお嬢様の逆襲
6. 悲しい酒やねん
7. オバタリアン純情す
8. 恋のライバルを倒す法
9. 誕生日に思うこと
10. 親の心 子の心
11. 仁義なき小学生
12. 愛・旅立ち

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