山田あかね

山田あかね氏は、東京都新宿区出身の脚本家、映像作家、小説家、エッセイストです。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業。在学中は自主制作映画クラブで脚本・監督を務め、映画制作の世界に足を踏み入れました。並行して女子大生ポルノ小説の執筆アルバイトも経験するなど、多様な活動を行っていました。

卒業後は株式会社イーストに入社し、アシスタントディレクターとしてキャリアをスタートさせます。1995年には『終わりのいろいろなかたち』で第81回文學界新人賞佳作を受賞。その後、作家としての活動も本格化し、2004年には『ベイビーシャワー』で第四回小学館文庫小説賞を受賞するなど、文筆家としての才能を開花させました。

現在では、映像演出家、作家として活躍する傍ら、2009年に株式会社スモールホープベイプロダクションを設立し、代表取締役を務めています。監督作品には、2010年の『すべては海になる』、2015年の『犬に名前をつける日』などがあります。

特に、動物をテーマにした作品に定評があり、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』シリーズにおいても多くの作品を手がけています。2018年の『ザ・ノンフィクション　犬と猫の向こう側』では、第45回放送文化基金優秀賞を受賞。2020年の『ザ・ノンフィクション　花子と先生の18年』ではニューヨークフェスティバル銅賞を受賞するなど、高い評価を得ています。2019年には、エンジン01文化戦略会議主催の第3回「川島なお美動物愛護賞」を受賞しています。

山田氏の動物愛護への情熱は、2021年8月に俳優の石田ゆり子氏と共に設立した「ハナコプロジェクト」にも表れています。このプロジェクトは、飼い主のいない犬や猫への医療費支援を行うことを目的としており、山田氏は代表理事を務めています。

テレビ番組では、CBCの『すばらしき仲間』、TBSの『石坂浩二のスーパーアイ』、『ギミア・ぶれいく』など、数々の番組でディレクターとして活躍。NHKやフジテレビの『ザ・ノンフィクション』シリーズでは、演出や構成、プロデューサーとしても多数の作品に関わっています。また、構成・演出を担当したNHK Eテレの『オイコノミア　人生というゲームに勝つ！』では、又吉直樹氏、安田洋祐氏、梅原大吾氏らが出演するなど、バラエティに富んだ番組制作にも携わっています。

テレビドラマの脚本も多数手がけており、フジテレビの『やっぱり猫が好き』、テレビ朝日の『時効警察』シリーズ、日本テレビの『すいか』、『おせん』、関西テレビの『チームバチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』など、幅広いジャンルの作品に貢献しています。NHK BSプレミアムでは『461個のありがとう。～愛情弁当が育んだ父と子の絆～』の脚本と演出も担当しました。

小説家としても精力的に活動しており、『ベイビーシャワー』『すべては海になる』『女の武士道』『オトナの片思い』『しまうたGTS』など、多くの作品を発表しています。これらの作品は、テレビドラマや映画の原作にもなっています。また、『すいか シナリオBOOK』（木皿泉氏共著）、『犬に名前をつける日』『犬と猫の向こう側』『犬部！映画小説版』『犬は愛情を食べて生きている』など、動物をテーマにした作品も多く出版しています。

映画監督としては、『すべては海になる』『犬に名前をつける日』を監督。脚本にも携わり、独特の世界観を表現しています。その他、篠原哲雄監督作品『クリアネス』『犬部！』では脚本を担当。ワン・イェミン監督作品『闘茶 tea fight』でも脚本を担当するなど、映画界にも幅広く貢献しています。

山田あかね氏は、脚本、演出、小説執筆と、多岐に渡る才能を発揮し、動物愛護活動にも積極的に関わる、稀有な存在と言えるでしょう。今後も、その活動から目が離せません。

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