ワッフル (雑誌)

『ワッフル』（Waffle）は、株式会社ぶんか社からかつて発行されていた月刊のグラビア雑誌です。いわゆる「お菓子系」と呼ばれるジャンルに分類される刊行物でした。

創刊から休刊まで

本誌は1997年10月号として創刊されました。その後、2000年4月号をもって休刊するまで、約2年半の間に合計31冊が刊行されました。

時代の背景とお菓子系雑誌の台頭

『ワッフル』が創刊された1997年は、お菓子系グラビア雑誌が多数誕生した時期にあたります。例えば、『ラッキークレープ』や『ジューシープレス』といった他の同ジャンル誌も同じ年に創刊されています。この動きの背景には、当時の社会的な状況がありました。

具体的には、青少年保護育成条例に基づく有害図書の指定が厳格化されつつあったことや、コンビニエンスストアチェーンが自主規制を強化し、店頭でのアダルト雑誌の販売を制限する動きが広がっていたことが挙げられます。これにより、出版社は新たな収益源や読者層を獲得するため、従来の成人向け雑誌とは異なる、非ヌードのグラビアを中心とした雑誌の開発に注力しました。その結果として生まれたのが、「お菓子系」と呼ばれる一連のグラビア雑誌であり、『ワッフル』もこの流れの中で創刊された媒体の一つです。

「お菓子系」名称の由来

「お菓子系」というジャンル名は、代表的な雑誌である『クリーム』をはじめとして、その多くが誌名にお菓子や甘いものを連想させる単語を使用していることに由来します。『ワッフル』も、お菓子の一種であるワッフルの名前を冠しており、この命名慣習に則っています。

誌面の独自性と特徴

『ワッフル』は、単にモデルのグラビア写真を掲載するだけでなく、誌面に独自の工夫を凝らしていました。特に力を入れていた点として、グラビア撮影においてドラマ性を重視していたことが挙げられます。単なるポーズ写真ではなく、セーラー服などの衣装を用いたシチュエーションでも、そこに物語性やドラマティックな雰囲気を加味することで、読者に情景を想像させるような構成を目指していました。これにより、他の競合誌との差別化を図っていました。

また、グラビア写真だけでなく、企画記事にも独自性が見られました。例えば、『東京女子高生MAP』のような取材に基づいた企画を掲載するなど、多様なコンテンツを提供することで読者の関心を引こうとしていました。

主な登場モデル

本誌のグラビアページを飾ったモデルの中には、相川みさお、久保亜沙香、飯窪五月、松坂紗良、升水美奈子といった顔ぶれがいました。

関連出版物

『ワッフル』は雑誌本体だけでなく、関連するムック本も複数出版されています。特に、『ワッフルスーパーコレクション』として7冊が刊行されたほか、『Waffle特別編集 美少女伝説』や『Waffle特別編集 少女回帰線』といった特別編集版のムックも発行されており、雑誌の世界観や企画をさらに深掘りする試みが行われました。

『ワッフル』は、アダルト雑誌に対する規制強化という社会情勢の変化に対応する形で誕生し、ドラマ性を打ち出したグラビアや独自の記事企画で特徴を際立たせようとしたお菓子系グラビア雑誌でした。その発行期間は比較的短いものでしたが、当時の非ヌードグラビア市場において一定の存在感を示しました。

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