ワリコミ

囲碁における「ワリコミ」とは、相手の石が一定の間隔で配置されている状況において、その間へ文字通り割り込むように打つ手のことを指します。

具体的には、一間（いっけん）の間隔で存在する相手の石の間に、自らの石を打つことで、相手の石を攻撃したり、自身の勢力を拡大したりする目的で使用されます。例えば、図1のように黒1がワリコミの典型例です。


図1
○ ● ○
● １
○ ○


しかし、似たような状況でも、すでに石が存在する場合は「ワリコミ」とは呼ばれません。例えば、図2のように、すでに▲の位置に石がある場合は、黒1のような手は「出（デ）」と表現します。


図2
○ ● ○
● １ ▲
○ ○

ワリコミの具体的な例

ワリコミは、相手の石を捉える効果的な手段として用いられます。以下にいくつかの例を挙げ、ワリコミの有用性について解説します。

例1

図3のように、黒1のワリコミによって、△の2つの白石を捉えることができます。白2と逃げようとしても、黒3以降のシチョウで白石は取られてしまいます。このように、ワリコミは相手の石を直接的に攻撃する手段として有効です。


図3
○ ● ○
● １ △
○ ２ △
３

例2

図4では、黒1のワリコミによって、種石である△の白石を取ることができます。もし黒2と打ってきた場合、白3でオイオトシによって白が有利になります。また、黒2で3の点に打ってきた場合は、白は2の点にノビることで対応できます。このように、ワリコミは相手の石の動きを制限する効果もあります。


図4
○ ● ○
● １ △
○ ○
２ ３

関連用語

ワリコミに関連する用語として、以下のようなものがあります。

ハネコミ

黒1のように、ハネとワリコミの両方の性質を兼ね備えた手を「ハネコミ」と呼びます。この手は、相手の石を攻撃しながら、自身の石の勢力を広げる効果があります。

ワリツギ

ワリコミから、さらに黒3のツギまでの一連の手順を「ワリツギ」と呼ぶことがあります。ワリコミ単体だけでなく、その後の展開まで考慮することで、より効果的な戦略を立てることができます。

まとめ

ワリコミは、囲碁において非常に重要なテクニックの一つです。相手の石を捉えたり、自身の勢力を広げたりするために、積極的に活用することが推奨されます。ワリコミを効果的に用いるためには、状況判断能力や、その後の展開を読む力も必要になります。

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